線形代数学におけるフラグとは?
定義1 2
$n$次元 ベクトル空間 $V$の部分空間の列$\left\{ W_{i} \right\}$が以下の式を満たすとき、これをフラッグflagと呼ぶ。
$$ \left\{ \mathbf{0} \right\} = W_{0} \lneq W_{1} \lneq W_{2} \lneq \cdots \lneq W_{k-1} \lneq W_{k} = V $$
定義により、以下が成立する。
$$ 0 = \dim V_{0} \lt \dim V_{1} \lt \dim V_{2} \lt \cdots \lt \dim V_{k-1} \lt \dim V_{k} = n $$
説明
フラッグと名付けた理由は、式を見たときに、まるで旗を立てたように見えるからだ。写真出典3
定義により、明らかに$k \le n$で、$\dim V_{i} = i$するとき(つまり$k=n$のとき)コンプリートフラッグcomplete flag、そうでなければパーシャルフラッグpartial flagと呼ぶ。
$d_{i} = \dim V_{i}$とするとき、列$\left\{ d_{i} \right\}$をフラッグのシグネチャーsignatureと呼ぶ。
関連項目
フィルトレーション
$$ A_{1} \subset A_{2} \subset \cdots \subset A_{n} \subset \cdots $$ 一般に、数学全般で、上記のようにネステッドシーケンスNested Sequenceを形成する構造をフィルトレーションFiltrationと呼ぶ。