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線形汎関数 📂線形代数

線形汎関数

定義1

VVベクトル空間としよう。VVからC\mathbb{C}(またはR\mathbb{R})への写像ff汎関数functionalという。

f:VC f : V \to \mathbb{C}

ff線形ならば、線形汎関数という。

もっと詳しい定義2

VVをフィールドFF上のベクトル空間としよう。この時、フィールドFF自体がFF上の11次元ベクトル空間になる。線形変換 f:VFf : V \to F線形汎関数linear functionalという。

言い換えれば、線形汎関数とはベクトル空間とその体の間の線形変換である。

説明

よく見る定義は最初の定義だ。通常、二番目のように抽象的に定義することはない。

汎関数を韓国語に訳すと「범함수」となり、あまり特徴がないが、英語ではfunctionalが形容詞ではなく名詞であることに注意する必要がある。また、汎関数(汎函数)という翻訳はgeneralized function一般化関数からの影響を受けている。

線形作用素との区別は、値域がR\mathbb{R}またはC\mathbb{C}と定義されるという点のみで、まさにこの違いが双対空間のような空間を考える価値があるということである。すぐにノルム=V\| \cdot \| = \| \cdot \|_{V}はそれ自体が汎関数になり、測度論との関連で考えると、有用であることが避けられない。

トレース

V=Mn×n(R)V = M_{n\times n}(\mathbb{R})としよう。関数ffを次のように定義しよう。

f:Mn×n(R)R by f(A)=tr(A) f : M_{n\times n}(\mathbb{R}) \to \mathbb{R} \quad \text{ by } \quad f(A) = \tr(A)

この時、tr\trは行列のトレースである。したがって、ffは線形汎関数である。

フーリエ係数

VVf:[0,2π]Rf : [0, 2\pi] \to \mathbb{R}を満たす連続関数のベクトル空間としよう。固定されたgVg \in Vに対して、h:VRh : V \to \mathbb{R}を次のように定義しよう。

h(f)=12π02πf(x)g(x)dx h(f) = \dfrac{1}{2\pi} \int_{0}^{2\pi} f(x)g(x)dx

すると、hhは線形汎関数である。ggcosnx\cos nxまたはsinnx\sin nxの時、h(f)h(f)ffフーリエ係数になる。

座標関数

VVを有限次元ベクトル空間としよう。β={v1,,vn}\beta = \left\{ \mathbf{v}_{1}, \dots, \mathbf{v}_{n} \right\}VV順序基底としよう。xV\mathbf{x} \in V座標ベクトルが次のようであるとしよう。

[x]β=[a1a2an] [\mathbf{x}]_{\beta} = \begin{bmatrix} a_{1} \\ a_{2} \\ \vdots \\ a_{n} \end{bmatrix}

今、1in1 \le i \le nに対して次のような関数を考えよう。

fi(x)=ai f_{i}(\mathbf{x}) = a_{i}

すると、fif_{i}VV上で定義された線形汎関数であり、これを**ii番目の座標関数**iith coordinate function with respect to the ordered basis β\betaという。すると、fi(vi)=δijf_{i}(\mathbf{v}_{i}) = \delta_{ij}が成立する。δij\delta_{ij}クロネッカーのデルタである。座標関数は双対空間を語る上で重要な役割を果たす。


  1. Kreyszig. (1989). Introductory Functional Analysis with Applications: p103~104. ↩︎

  2. Stephen H. Friedberg, Linear Algebra (4th Edition, 2002), p119 ↩︎