順序基底と座標ベクトル
📂線形代数順序基底と座標ベクトル
定義
Vを有限次元ベクトル空間としよう。Vの基底に特定の順序が与えられた場合、これを順序基底という。
β={v1,…,vn}をVの順序基底とする。すると、基底表示の一意性により、v∈Vに対して、以下のように成立するスカラーaiが唯一に存在する。
v=a1v1+…anvn
a1,…,anを基底βに関するvの座標と言い、i番目の座標をi番目の成分として持つ行列を基底βに関するvの座標ベクトルまたは座標行列と言い、[v]βのように表記する。
[v]β=a1a2⋮an
また、順序基底βを座標系と言う。
説明
基底は集合として定義されるが、集合を表現する際の要素の列挙順序は関係ない、つまりα={e1,e2,e3}={e2,e3,e1}=βである。したがって、‘座標’という概念を抽象化するためには、基底の要素に順序を与える必要がある。今、α,βを順序基底とすると、
α={e1,e2,e3}={e2,e3,e1}=β
[vi]β=eiが成立する。eiは標準基底である。
関数T:v↦[v]βはVからRnへの線形変換となる。
ベクトル空間Rnに対して、{e1,…,en}を標準順序基底と言う。