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微分幾何学における等距離写像 📂幾何学

微分幾何学における等距離写像

定義1

2つの曲面 $M, N$の間の関数$f : M \to N$が与えられたとする。次の条件を満たす$f$を等距離写像isometryと呼ぶ。

  • $f$が微分可能である。
  • $f$が全単射である。
  • すべての曲線$\boldsymbol{\gamma}:[c,d] \to M$に対して、$\boldsymbol{\gamma}$の長さと$f \circ \boldsymbol{\gamma}$の長さが同じである。

$M$と$N$の間に等距離写像$f$が存在する場合、$M$と$N$は等距離isometricであるという。

説明

簡単に言えば、等距離写像とは、曲面$M$上の曲線を$N$に移したとき、またはその逆をしたときに、長さが保持される写像である。

微分を通じて幾何を説明するので、微分可能であることは自然な条件であり、曲面$M$と$N$間を行き来するのに問題がないため、全単射である必要がある。さらに、距離が保持される写像について話したいので、等距離写像と呼ぶためには最後の条件も当然満たされなければならない。

定理

$f : M \to N$を等距離写像、$\boldsymbol{\gamma} : [c,d] \to M$を正則曲線とする。すると、$\dfrac{d \boldsymbol{\gamma}}{d t}$と$\dfrac{d (f \circ \boldsymbol{\gamma})}{d t}$の長さは同じである。

$$ \left| \dfrac{d \boldsymbol{\gamma}}{d t} \right| = \left| \dfrac{d (f \circ \boldsymbol{\gamma})}{d t} \right| $$

証明

$f$が等距離写像であるとしたので、各$t^{\ast} \in (c,d)$に対して、$\boldsymbol{\gamma}$と$f \circ \boldsymbol{\gamma}$の長さは同じである。

$$ \ell_{[c,t^{\ast}]}(\gamma) = \ell_{[c, t^{\ast}]} (f \circ \gamma), \quad t^{\ast} \in (c,d) $$

$$ \implies \int_{c}^{t^{\ast}} \left| \dfrac{d \boldsymbol{\gamma}}{d t} \right|dt = \int_{c}^{t^{\ast}} \left| \dfrac{d (f \circ \boldsymbol{\gamma})}{d t} \right|dt $$

両辺を$t^{\ast}$に対して微分すると、以下を得る。

$$ \left| \dfrac{d \boldsymbol{\gamma}}{d t} \right| = \left| \dfrac{d (f \circ \boldsymbol{\gamma})}{d t} \right| $$

参考


  1. Richard S. Millman and George D. Parker, Elements of Differential Geometry (1977), p147 ↩︎