ポテンシャル、ポテンシャルエネルギーの一般的な定義
定義1
(スカラー) ポテンシャル
ベクトル場 $\mathbf{V}$が保存場であるとしよう。つまり、$\nabla \times \mathbf{V} = \mathbf{0}$とする。そうすると、$\mathbf{V} = -\nabla W$を満たすスカラー場 $W$が存在し、これを$\mathbf{V}$の**(スカラー) ポテンシャル**と呼ぶ。
ベクトル ポテンシャル
ベクトル場$\mathbf{V}$が$\nabla \cdot \mathbf{V} = 0$を満たすとする。そうすると、$\mathbf{V} = \nabla \times \mathbf{A}$を満たすベクトル場$\mathbf{A}$が存在し、これを$\mathbf{V}$のベクトル ポテンシャルと呼ぶ。
説明
ポテンシャルの正式な韓国語表記はポテンシャルではなく ‘퍼텐셜’ だ。
スカラーポテンシャルは単にポテンシャルと呼ばれる。
ベクトル場$\mathbf{V}$の単位が力である場合、特にポテンシャル エネルギーと呼ばれる。
力学
ポテンシャル エネルギー
1次元での力$F$のポテンシャル エネルギーは、次を満たす$V$で定義される。
$$ F(x) = -\dfrac{d V(x)}{d x} $$
これは上記の定義を3次元から1次元に簡単にしたものに過ぎない。また、$F$は力であるため、$V$をポテンシャル エネルギーと呼ぶ。
電磁気学
電気 ポテンシャル
電場$\mathbf{E}$に対して、次を満たすスカラー場$V$を電気ポテンシャル(電位)と呼ぶ。
$$ \mathbf{E} = - \nabla V $$
電荷量が$Q$の試験電荷が受ける電気力は、クーロンの法則により$\mathbf{F} = Q \mathbf{E}$となる。したがって、電場の単位は力ではないため、電気ポテンシャルをポテンシャルエネルギーとは呼ばない。
磁気 ポテンシャル
磁場$\mathbf{B}$に対して、次を満たすベクトル場$\mathbf{A}$を磁気ポテンシャルと呼ぶ。
$$ \mathbf{B} = \nabla \times \mathbf{A} $$
同様に、ローレンツ力の法則により磁気力は$\mathbf{F}_{m} = Q (\mathbf{v} \times \mathbf{B})$となるため、$\mathbf{B}$の単位は力ではなく、磁気ポテンシャルをポテンシャルエネルギーとは呼ばない。
Mary L. Boas, 数理物理学(Mathematical Methods in the Physical Sciences, 최준곤 訳) (第3版, 2008), p338-339 ↩︎