三次元単位球の座標分割写像
公式
3次元空間の単位球は、下記の6つの座標片マッピングによって表される。$(u,v) \in U = \left\{ (u,v) : u^{2} + v^{2} \lt 1 \right\}$について、
$$ \begin{align*} \mathbf{x} _{(0,0,1)}(u, v) &= \left( u, v , \sqrt{1- u^{2} -v^{2} } \right) \\ \mathbf{x}_{(0,0,-1)}(u, v) &= \left( u, v , -\sqrt{1- u^{2} -v^{2} } \right) \\ \mathbf{x}_{(0,1,0)}(u, v) &= \left( u, \sqrt{1- u^{2} -v^{2}}, v \right) \\ \mathbf{x}_{(0,-1,0)}(u, v) &= \left( u, -\sqrt{1- u^{2} -v^{2}}, v \right) \\ \mathbf{x}_{(1,0,0)}(u, v) &= \left( \sqrt{1- u^{2} -v^{2}}, u, v \right) \\ \mathbf{x}_{(-1,0,0)}(u, v) &= \left( -\sqrt{1- u^{2} -v^{2}}, u, v \right) \end{align*} $$
説明 1
座標片マッピングは、私たちが表面と思っている概念を数学的に表現したものだ。実際に表面がどのように座標片マッピングで表されるか、具体例を見てみよう。3次元空間の単位球面を想像してみよう。そうすると、次のように定義される座標片マッピング$\mathbf{x} _{(0,0,1)} : \R^{2} \to \R^{3}$を考えることができる。
$$ \mathbf{x} _{(0,0,1)}(u, v) = \left( u, v , \sqrt{1- u^{2} -v^{2} } \right) ,\quad (u,v) \in U = \left\{ (u,v) : u^{2} + v^{2} \lt 1 \right\} $$
この座標片は球面の$z \gt 0$を表すことになる。また、以下の座標片
$$ \mathbf{x}_{(0,0,-1)}(u, v) = \left( u, v , -\sqrt{1- u^{2} -v^{2} } \right),\quad (u,v) \in U = \left\{ (u,v) : u^{2} + v^{2} \lt 1 \right\} $$
は$z \lt 0$によって表される球面を表す。したがって、次の図の赤い線で表された$xy-$平面と交差する部分、つまり赤道を除くと、3次元単位球面を2つの座標片$\mathbf{x}_{(0,0,1)}, \mathbf{x}_{(0,0,-1)}$で表すことができる。
さて、赤道までカバーするためにもっと座標片マッピングを追加してみよう。
$$ \mathbf{x}_{(0,1,0)}(u, v) = \left( u, \sqrt{1- u^{2} -v^{2}}, v \right),\quad (u,v) \in U = \left\{ (u,v) : u^{2} + v^{2} \lt 1 \right\} \\ \mathbf{x}_{(0,-1,0)}(u, v) = \left( u, -\sqrt{1- u^{2} -v^{2}}, v \right),\quad (u,v) \in U = \left\{ (u,v) : u^{2} + v^{2} \lt 1 \right\} $$
上の2つの座標片で、球の側面を下の左図のように表すことができる。
一見すると、これら4つの座標片で球面を完全に表すことができそうに見えるが、そうではない。右図に示された2点$(1,0,0)$と$(-1, 0, 0)$は、上記の4つの座標片のいずれにも表されていない。したがって、以下の2つの座標片がさらに必要だ。
$$ \mathbf{x}_{(1,0,0)}(u, v) = \left( \sqrt{1- u^{2} -v^{2}}, u, v \right),\quad (u,v) \in U = \left\{ (u,v) : u^{2} + v^{2} \lt 1 \right\} \\ \mathbf{x}_{(-1,0,0)}(u, v) = \left( -\sqrt{1- u^{2} -v^{2}}, u, v \right),\quad (u,v) \in U = \left\{ (u,v) : u^{2} + v^{2} \lt 1 \right\} $$
ここで、上で定義した6つの座標片で3次元単位球を表すことができ、球の全ての点は少なくとも1つの座標片で表される。
Richard S. Millman and George D. Parker, Elements of Differential Geometry (1977), p90 ↩︎