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留数定理の証明 📂複素解析

留数定理の証明

定理 1

解析的関数 f:ACCf: A \subset \mathbb{C} \to \mathbb{C}単純閉曲線 C\mathscr{C} 内部に有限個の特異点 z1,z2,,zmz_{1} , z_{2} , \cdots , z_{m} を持つとする。すると、 Cf(z)dz=2πik=1mReszkf(z) \int_{\mathscr{C}} f(z) dz = 2 \pi i \sum_{k=1}^{m} \text{Res}_{z_{k}} f(z)

説明

初めて読むと、この定理はとても不思議に感じるかもしれない。積分値を求めなければならないが、微積分的な計算はなく、特異点留数の話が出てくるので、困惑することもあるだろう。定理を見る限り、留数を足すだけで積分値を見つけることができるようだが、本当にそうなのか?意外なことに、答えは「はい」で、それが留数定理の役割である。

このアプローチは、積分計算を他の計算に置き換えるだけで、解けなかった多くの積分が可能になる。実数では扱えなかったいくつかの積分も留数定理を使えば比較的簡単に解決される。複素解析には重要な定理がたくさんあるが、留数定理は特に有用な結果をたくさん与えるため、必ず理解しておくべきだ。

証明

まず、C\mathscr{C}mm 個に分割して考えよう。

分割に対する一般化された収縮補助定理: 単純閉曲線 C\mathscr{C} を含む単純連結領域内で、C\mathscr{C} 内部の有限個の点 z1,z2,zmz_{1} , z_{2}, \cdots z_{m} を除く全ての点で解析的であるとする f:ACCf: A \subseteq \mathbb{C} \to \mathbb{C}。その場合、C\mathscr{C} 内部zkz_{k} を中心とする Ck\mathscr{C_k} に対して、 Cf(z)dz=k=1mCkf(z)dz \int_{\mathscr{C}} f(z) dz = \sum_{k=1}^{m} \int_{\mathscr{C}_{k}} f(z) dz

Ck\mathscr{C}_{k}ローラン展開すると、 Ckf(z)dz=Ckn=0ank(zzk)ndz+Ckn=1bnk(zzk)ndz \int_{\mathscr{C}_{k}} f(z) dz = \int_{\mathscr{C}_{k}} \sum_{n = 0 }^{\infty} a_{nk} (z-z_{k}) ^{n} dz + \int_{\mathscr{C}_{k}} \sum_{n = 1 }^{\infty} { {b_{nk} } \over{ (z-z_{k}) ^{n} } } dz コーシーの定理により、 Ckf(z)dz=Ckn=1bnk(zzk)ndz \int_{\mathscr{C}_{k}} f(z) dz = \int_{\mathscr{C}_{k}} \sum_{n = 1 }^{\infty} { {b_{nk} } \over{ (z-z_{k}) ^{n} } } dz 一方で、Ck1(zzk)ndz={2πin=10n2\int_{\mathscr{C}_{k}} {{1} \over {(z - z_{k})^n}} dz = \begin{cases} 2 \pi i & n = 1 \\ 0 & n \ge 2 \end{cases} なのでコーシーの積分公式によると、 Ckf(z)dz=2πib1k=2πiReszkf(z) \int_{\mathscr{C}_{k}} f(z) dz = 2 \pi i b_{1k} = 2 \pi i \text{Res}_{z_{k}} f(z) だから、 Cf(z)dz=2πik=1mReszkf(z) \int_{\mathscr{C}} f(z) dz = 2 \pi i \sum_{k=1}^{m} \text{Res}_{z_{k}} f(z)

注意点

証明で特に留意すべき点は、n=1n=1 のとき、1zzk\displaystyle {{1} \over {z - z_{k}}} 係数、つまり留数 b1kb_1k を除き、その他すべてが 00 になって消えるということである。留数定理があまりにも有用であるため、その応用しか勉強していないと、なぜそのような結果が出るのかさえも忘れがちになる。コーシーの積分公式とローラン展開の形を思い出せるなら、十分に密度の高い勉強をしたと言えるだろう。


  1. Osborne (1999). Complex variables and their applications: p153. ↩︎