直交基底に関する座標
📂線形代数直交基底に関する座標
定義
内積空間の基底Vが直交集合である場合、Sを直交基底orthogonal basisと言う。Sが正規直交集合である場合、正規直交基底orthonormal basisと言う。
定理
S={v1,v2,…,vn}が内積空間Vの直交基底であり、u∈Vとする。すると、次の式が成り立つ。
u=∥v1∥2⟨u,v1⟩v1+∥v2∥2⟨u,v2⟩v2+⋯+∥vn∥2⟨u,vn⟩vn=i=1∑n∥vi∥2⟨u,vi⟩vi
Sが正規直交基底である場合、次の式が成り立つ。
u=⟨u,v1⟩v1+⟨u,v2⟩v2+⋯+⟨u,vn⟩vn=i=1∑n⟨u,vi⟩vi
説明
上記の定理から、次のベクトルをu∈Vの基底Sに対する座標という。
(u)S=(⟨u,v1⟩,⟨u,v2⟩,…,⟨u,vn⟩)
証明
SがVの基底であるので、u∈Vは次のような唯一の線形組み合わせ表現が存在する。
u=c1v1+c2v2+⋯+cnvn
uと各viの内積を取ると次のようになる。
⟨u,vi⟩=⟨c1v1+c2v2+⋯+cnvn,vi⟩=c1⟨v1,vi⟩+c2⟨v2,vi⟩+⋯ci⟨vi,vi⟩+⋯+cn⟨vn,vi⟩=ci⟨vi,vi⟩=ci∥vi∥2
⟹ci=∥vi∥2⟨u,vi⟩
上記の式を満たすciは唯一なので、これを(eq1)に代入すると次のようになる。
u=∥v1∥2⟨u,v1⟩v1+∥v2∥2⟨u,v2⟩v2+⋯+∥vn∥2⟨u,vn⟩vn=i=1∑n∥vi∥2⟨u,vi⟩vi
Sが正規直交集合であれば∥vi∥2=1が成り立つので、(thm2)が成り立つ。
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