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同時同次一次方程式 📂行列代数

同時同次一次方程式

定義1

線形システムで、定数項が全部$0$だったら、同次homogeneousという。

$$ \begin{align*} a_{11}x_{1} + a_{12}x_{2} + \cdots + a_{1n}x_{n} &= 0 \\ a_{21}x_{1} + a_{22}x_{2} + \cdots + a_{2n}x_{n} &= 0 \\ &\vdots \\ a_{m1}x_{1} + a_{m2}x_{2} + \cdots + a_{mn}x_{n} &= 0 \end{align*} $$

一般的な線形システムと違い、全ての同次線形システムは常に解を持っている。その理由は、定数項が$0$ならば、当然$x_{1}=0, x_{2}=0, \dots, x_{n}=0$を解として持っているからだ。これを自明解trivial solutionという。自明解でない解を非自明解nontrivial solutionという。同次線形システムは常に自明解を持っているので、解についてはただ以下の二つの場合だけが存在する。

  • 自明解だけがある。

  • 自明解と無数に多くの非自明解がある。

同次システムの自由変数に関する定理

未知数が$n$個あるある同次線形システムが与えられたとする。拡大行列の階段行列の$0$ではない行の数が$r$であるとする。すると、同次システムは簡単に以下のように表される。

$$ \begin{align*} & x_{1} & & & &+ (\quad) &= 0 & \\ & & x_{2} & & &+ (\quad) &= 0 & \\ & & & \ddots & & & \vdots & \\ & & & & x_{r} &+ (\quad) &= 0 & \end{align*} $$

上の式は$n-r$個の自由変数を持っている。従って、$r < n$の場合、自由変数が1つ以上存在するので、無数に多くの解を持つ。したがって、方程式の数よりも未知数の数が多い同次線形システムは、無数に多くの解を持つ。


  1. Howard Anton, Elementary Linear Algebra: アプリケーションバージョン (12版, 2019), p17-19 ↩︎