レイリー数の定義
定義
流体力学で拡散による熱伝達と、速度が $u$ の点での対流による熱伝達の時間スケールの比である無次元量を レイリー数Rayleigh numberという。レイリー数 $\mathrm{Ra}$ は特性長さ $L$、熱伝導率 $\alpha$、粘性係数 $\mu$、密度 $\rho$、重力加速度 $g$ に対して次のように定義される。 $$ \mathrm{Ra} = {\frac{ \Delta \rho L^{3} g }{ \mu \alpha }} $$
説明
レイリー数は時間スケールの比で表されているにすぎないが、その意味を考えると一種のペクレ数であることが分かる。結果としてレイリー数が大きいということは対流による熱伝達が拡散による熱伝達より速いことを意味し、小さいということはその逆を意味する。分子と分母を分けてその導出過程を軽く見てみよう。
まず分子は拡散による熱伝達の時間スケールであり、 $\alpha$ は熱伝導率であるから $\mathsf{L}^{2} \mathsf{T}^{-1}$ の次元を持つ。したがって時間スケールは次のように特性長さの二乗である $L^{2}$ で約分した後、逆数を取った形になる。 $$ \alpha \left[ {\frac{ \mathsf{L}^{2} }{ \mathsf{T} }} \right] \implies {\frac{ L^{2} }{ \alpha }} \left[ \mathsf{T} \right] $$
分母は速度が $u$ の点での対流による熱伝達の時間スケールであり、速度 $u$ は長さを時間で割ったものだからその次元は $\mathsf{L} \mathsf{T}^{-1}$ であり、分子と同様に特性長さ $L$ で約分した後に逆数を取った形になる。 $$ u \left[ {\frac{ \mathsf{L} }{ \mathsf{T} }} \right] \implies {\frac{ L }{ u }} \left[ \mathsf{T} \right] $$
ここで重力によって受ける力を考えると $\Delta m a$ において $m$ は質量だから、質量と体積の比である密度の定義から $\rho = m / L^{3}$ であり、加速度は重力加速度になるので $a = g$ であり、したがって $F \sim \Delta \rho L^{3} g$ となる。
ストークスの法則 速度が $v$ で半径が $r$ の球形粒子が動粘性係数 $\mu$ の流体中を移動し、粘性によって受ける 抗力drag force $F$ は次の通りである。
$$ F = - 6 \pi \mu r v $$
一方ストークスの法則では $F \sim \mu L V$ でもあるため、$u \sim \Delta \rho L^{2} g / \mu$ であり、$L / u \sim \mu / \Delta \rho L g$ である。さてレイリー数 $\mathrm{Ra}$ の分子と分母に代入してみると次を得る。 $$ \mathrm{Ra} = {\frac{ L^{2} / \alpha }{ \mu / \Delta \rho L g }} = {\frac{ \Delta \rho L^{3} g }{ \mu \alpha }} $$
