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体積粘性 📂流体力学

体積粘性

定義

$$ \zeta := \lambda + {\frac{ 2 }{ 3 }} \mu $$ 3次元の流体系において、2つのラメパラメータ $\lambda$、$\mu$ に対して上のように定義される定数 $\zeta$ を 体積粘性bulk viscosityと呼ぶ。

説明

体積粘性は特に圧縮性流体を扱うときに現れ、圧縮性ナビエ–ストークス方程式の簡単な表現では $\xi = \zeta / \rho$ のように体積粘性と密度の比である 体積動粘性係数bulk kinematic viscosity としても表される。

導出過程を見ればわかるが、2次元の場合は $\zeta = \lambda + \mu$ になる。

導出

$\zeta$ は定義なので導出する必要はないが、なぜそのような奇妙な形をしているのかは数式的に一度見ておく必要がある。単に2つのパラメータの重み付き和にすぎないので、物理的に特別な意味があるわけではなく、式を簡潔にするという意味合いで受け取ればよい。

コーシー応力テンソルとラメパラメータ: 特に、3次元空間で時刻 $t$ と空間座標 $\mathbf{x} = \left( x_{1} , x_{2} , x_{3} \right)$ の流速場を上のような速度ベクトルで表すとする。この流体が粘性圧縮性を持つニュートン流体だとする。等方性を仮定したコーシー応力テンソル $\sigma$ は対称化された勾配 $\varepsilon$ に関して次のように表される。 $$ \sigma = - p I + 2 \mu \varepsilon + \lambda \tr \left( \varepsilon \right) I $$

コーシー応力テンソル $\sigma$ を圧力 $p$ の観点から見ると自然に $\zeta$ が現れる。$I$ は単位行列なので、$\sigma$ のトレースは次のようになる。 $$ \tr \left( \sigma \right) = - 3 p + 2 \mu \tr \left( \varepsilon \right) + 3 \lambda \tr \left( \varepsilon \right) $$ これを $p$ に関して整理すると次のようになる。 $$ \begin{align*} p =& - {\frac{ 1 }{ 3 }} \tr \left( \sigma \right) + \left( {\frac{ 2 }{ 3 }} \mu + \lambda \right) \tr \left( \varepsilon \right) \\ =& - {\frac{ 1 }{ 3 }} \tr \left( \sigma \right) + \zeta \tr \left( \varepsilon \right) \end{align*} $$ ご覧の通り $\zeta$ は $\tr \left( \varepsilon \right)$ の係数をまとめたにすぎない。