ねじれ部分群の定義
定義 1
$G$がアーベル群とする。
- $g \in G$が何らかの$n \in \mathbb{N}$に対して$ng = 0$を満たせば、$g$は有限オーダーfinite orderを持つと言う。
- $G$の有限オーダーを持つ全ての元の集合$T \subset G$が$G$のサブグループならば、$T$を$G$のトーションサブグループtorsion Subgroupという。
- もし$G$のトーションサブグループ$T$が実質的にない、つまり$T = \left\{ 0 \right\}$ならば、$G$をトーションフリーtorsion-freeという。
- もし$T$が有限の元から成っているならば、$T$の濃度$\left| T \right|$を$T$のオーダーorderという。
説明
トーション?
トーションとは、‘ねじり’や’もつれ’と翻訳されることもあるが、抽象代数ではそういった直感を特に与えないから、ただ「トーション」として受け入れることを推奨する。個人的には、韓国語でも英語でも、$T$が有限群であるという点が何となく全体のグループ$G$を覆す感じがするけど、無理やり理解させる必要はないと思う。
トーションサブグループ
$$ G_{1} = \mathbb{Z}_{2} \times \mathbb{Z}_{3} \times \mathbb{Z}^{5} $$
例えば上に述べたグループ$G_{1}$を考えてみる。$_{1}G$は無数に多くのサブグループを持つが、その中で$\mathbb{Z}_{6} \simeq \mathbb{Z}_{2} \times \mathbb{Z}_{3}$と同型であるサブグループ$T_{1} \subset G_{1}$だけがトーションサブグループである。定義によるとただの任意の有限群ではなく、有限の濃度を持つ全ての元の集合でなければならないからだ。
トーションフリー
別の例として$G_{2} = \mathbb{Z}^{5}$を考えてみる。$0$が有限オーダーを持つ唯一の元であっても、$1 \in \mathbb{N}$に対して$1 \cdot 0 = 0$なので、トーションサブグループである自明な群$\left\{ 0 \right\}$が存在する。だから、トーションがない(トーションフリー)と言いたくても、直接「ない」とは言えず、「消える」vanishと遠回しな言い方をするのだ。
Munkres. (1984). Elements of Algebraic Topology: p22. ↩︎