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CWコンプレックスの定義 📂位相データ分析

CWコンプレックスの定義

概要1

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CW複合体は、セル複合体cell Complexとも呼ばれる複合体で、次の再帰的な手順で構築される。

定義

  1. 離散的discrete集合X0X^{0} \ne \emptysetを**00-セル**cellとみなす。
  2. nn-スケルトンskeletonXnX^{n}Xn1X^{n-1}からnn-セルeαne_{\alpha}^{n}ϕα:Sn1Xn1\phi_{\alpha} : S^{n-1} \to X^{n-1}へと接続することで作られる。
  3. X:=nNXnX := \bigcup_{n \in \mathbb{N}} X^{n}弱位相を持つ位相空間になるとき、XXセル複合体という。

説明

定義は難しく複雑に見えるかもしれないが、思ったよりも手が届きやすい。正直に言って、CW複合体についてあまり詳しく知らなくても大丈夫なので、あまりプレッシャーを感じないようにしよう。

グラフの一般化

11-スケルトンは、それ自体でグラフである。ここで、00-セルX0=VX^{0} = Vは頂点の集まり、11-セルX1=EX^{1} = Eはエッジの集まりとなる。eα1Ee_{\alpha}^{1} \in Eはインデックスα\alphaに従って00-セルを結ぶエッジであり、必ずしもすべての00-セルを結ぶ必要はない。

この視点から、セル複合体をグラフの一般化であるハイパーグラフhyper graphと見なしても問題ない。以下はハイパーグラフを示した図で、同時に複数の頂点を結ぶeke_{k}が、まさにセルeαe_{\alpha}に対応している2

262px-Hypergraph-wikipedia.png

CWの由来3

ほとんどの文献ではセル複合体という表現は使用されず、通常はCW複合体と呼ばれる。その理由を知るために、定義を詳しく掘り下げてみよう。

ディスクとスフィア、セルの定義:

  1. 次のように定義されたDnRnD^{n} \subset \mathbb{R}^{n}nn-ユニットディスクunit Diskという。 Dn:={xRn:x1} D^{n} := \left\{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^{n} : \left\| \mathbf{x} \right\| \le 1 \right\}
  2. 次のように定義されたSnRn+1S^{n} \subset \mathbb{R}^{n+1}nn-ユニットスフィアunit Sphereという。 Sn:={xRn+1:x=1} S^{n} := \left\{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^{n+1} : \left\| \mathbf{x} \right\| = 1 \right\}
  3. DnDnD^{n} \setminus \partial D^{n}とそれにホメオモルフィック部分集合ene^{n}nn-セルcellと呼ばれる。

nn-ディスクの境界nn-スフィアである。つまり、次が成り立つ。 Dn=Sn1 \partial D^{n} = S^{n-1}

まずX0X^{0}については、大きな問題はないだろう。eαne_{\alpha}^{n}n1n-1スケルトンを接続することは、ハイパーグラフで一つの一般化されたkk-エッジが複数の頂点を結ぶことと似ている。もう少し厳密に言えば、境界のすべての点xDαnx \in \partial D_{\alpha}^{n}に対する同値関係 xϕα(x) x \sim \phi_{\alpha} (x) を与えて商空間を作ることになる。この説明が難しいなら、学部レベルの位相を再学習すればよい。位相で同値関係を与えること―実際には異なる要素を同じものとして扱うこと―は、直感的に見ると「空間を繋げること」である。nn-スケルトンXn:=xn1αDαnX^{n} := x^{n-1} \cup \bigsqcup_{\alpha} D_{\alpha}^{n}は、これらの商写像ϕα\phi_{\alpha}の下での商空間であり、nn-セルeαne_{\alpha}^{n}は商写像ϕα\phi_{\alpha}の下でDαnDαnD_{\alpha}^{n} \setminus \partial D_{\alpha}^{n}の像imageホメオモルフィックである。

一方で、XX弱位相を持つということは、AXA \subset XXXで開集合(閉集合)であることと、すべてのnNn \in \mathbb{N}に対してAXnA \cap X^{n}XnX^{n}で開集合(閉集合)であることが同値であるということである。弱位相の一般的な概念とすぐに結びつけようと無理をしなくてもよく、分からなければそれでよいとして進めてもよい。

なんにせよ、CW複合体は以下の二つの特徴から名前がついている:

  • Closure-finiteness:各セルのクロージャは、有限個の他のセルと交わる。これはコンパクトに関連している。
  • Weak topology:定義から、弱位相が保証されている。

  1. Edelsbrunner, Harer. (2010). Computational Topology An Introduction: p5. ↩︎

  2. https://en.wikipedia.org/wiki/Hypergraph ↩︎

  3. Edelsbrunner, Harer. (2010). Computational Topology An Introduction: p520. ↩︎