ラグランジュ運動モデル
定義 1
短期間の集団間の相互作用を扱うメタ個体群モデルをオイラー移動モデルeulerian Movement modelと呼ぶ。
例
シンプルなSIRモデルの拡張を考えてみよう。住居地$1$と休暇地$2$という2つのパッチがあり、住居地からは発生しえない熱帯病などが休暇地から持ち込まれるというモデルは、次のようなカップルドダイナミックシステムで表すことができる。 $$ {{ d S_{1} } \over { dt }} = - \beta_{11} S_{1} I_{1} - \beta_{12} S_{1} I_{2} $$
ここで、$\beta_{11}$は住居地での感染率、$\beta_{12}$は休暇地へ休暇に出た個体群に対する感染率である。通常の研究では、これらは定数ではなく時間$t$に依存する関数で、実際のデータに基づき合理的に定義されたり導出されるものであろう。永続的な移動ではなく一時的な接触を反映しているため、感染病モデルの文脈ではシンプルトリップモデルsimple Trip modelとも呼ばれる。
Citron. (2021). Comparing metapopulation dynamics of infectious diseases under different models of human movement. https://doi.org/10.1073/pnas.2007488118 ↩︎