幾何分布の十分統計量と最尤推定量
📂確率分布論幾何分布の十分統計量と最尤推定量
要旨
幾何分布に従うランダムサンプル X:=(X1,⋯,Xn)∼Geo(p) が与えられたとする。p に対する十分統計量 T と最尤推定量 p^ は次のとおりである。
T=p^=k=1∑nXk∑k=1nXkn
証明
十分統計量
f(x;p)====k=1∏nf(xk;p)k=1∏np(1−p)xk−1pn(1−p)∑kxk−npn(1−p)∑kxk−n⋅1
ネイマン分解定理:ランダムサンプル X1,⋯,Xn がパラメーター θ∈Θ に対して同じ確率質量/密度関数 f(x;θ) を持つとする。統計量 Y=u1(X1,⋯,Xn) がθ の十分統計量であることは、次を満たす非負の二つの関数 k1,k2≥0 の存在を意味する。
f(x1;θ)⋯f(xn;θ)=k1[u1(x1,⋯,xn);θ]k2(x1,⋯,xn)
ただし、k2 はθ に依存してはならない。
ネイマン分解定理により、T:=∑kXk はp に対する十分統計量である。
最尤推定量
logL(p;x)===logf(x;p)logpn(1−p)∑kxk−nnlogp+k=1∑nxklog(1−p)
ランダムサンプルの対数尤度関数は上記のとおりであり、尤度関数が最大値になるためには、p に対する偏微分が 0 になる必要がある。したがって、
⟹⟹⟹0=np1−1−p1(k=1∑nxk−n)pn+1−pn=1−p1k=1∑nxkp(1−p)n=1−p1k=1∑nxkp1=n1k=1∑nxk
それゆえ、p の最尤推定量 p^ は次のとおりである。
p^=∑k=1nXkn
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