ロケーションファミリーの十分統計量と最尤推定量
📂数理統計学ロケーションファミリーの十分統計量と最尤推定量
定理
確率密度関数がfX(x;θ)=fX(x−θ)であるロケーションファミリーから得たランダムサンプルX1,⋯,Xn∼Xが与えられたとする。十分統計量と最尤推定量は
- Xのサポートが上に有界ならばmaxXk
- Xのサポートが下に有界ならばminXk
に依存する。
- 確率変数のサポートとは確率密度関数の関数値が0より大きい点の集合を意味する。
SX:={x∈R:fX(x;θ)>0}
- 有界集合とは、与えられた集合の全ての要素に対して大きいか同じ要素が存在する集合を言う。
説明
例えば一様分布U(0,θ)からデータ
0.70.80.10.20.10.9
を得たとすると、θの十分統計量と最尤推定量は当然最大値0.9だ。サポート自体がロケーションパラメータθに依存している場合は、考えるまでもなくminXkを思い出せばいい。指数分布も同じだ。
証明
下に有界な場合だけを示そう。Xのサポートが下に有界であるということは、その確率密度関数が指示関数Iに関して次のように表されることと同等だ。
fX(x;θ)=fX(x;θ)I[θ,∞)(x)
指示関数の積:i=1∏nI[θ,∞)(xi)=I[θ,∞)(i∈[n]minxi)
Iが微分可能な関数ではないので戸惑うかもしれないが、定義に基づいて考えれば難しくはない。尤度関数Lは
L(θ;x)=k=1∏nf(xk;θ)I[θ,∞)(xk)=I[θ,∞)(k∈[n]minxk)k=1∏nf(xk;θ)
なので、minxkがθの推定量θ^より小さい場合は確実に0が乗じられる。したがって、最尤推定量はminXkに依存するしかないし、LはX1,⋯,Xnのジョイント確率密度関数と同じ形をしているので、ネイマン分解定理により、十分統計量もminXkに関する関数として表れなければならない。
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