シュワルツの補題の証明
定理 1
単位円 $|z| \le 1$ で、解析的な関数 $f$ について、$f(0) = 0$ そして $0 < |z| < 1$ で $|f(z)| \le 1$ としよう。そうすると、$0 < |z| < 1$ から $$ |f ' (0)| \le 1 \\ |f(z)| \le |z| $$
証明
一般性を失わずに $|z| \le r$ に拡張できるが、証明の便宜のために単位円を選んだ。
新しい関数 $g$ を $\displaystyle g(z) = \begin{cases} f(z) / z & , \text{if } 0 < \left| z \right| < 1 \\ f ' (0) & , \text{if } z = 0 \end{cases}$ として定義しよう。
$\displaystyle \lim_{z \to 0} {{f(z)} \over {z}} = f '(0)$ なので、$g$ は単位円の中で連続であるだけではなく、解析的だ。
$$ |g(z)| = \left| {{f(z)} \over {z}} \right| = {{1} \over {|z|}} | f(z) | \le {{1} \over {|z|}} $$
最大絶対値の原理によって、 $$ |g(z)| \le {{1}\over{|z|}} = 1 $$ だから、 $$ |g(0)| = |f ' (0)| \le 1 $$ 一方で、$|g(z)| \le 1$ の両辺に $|z|$ を掛けると、 $$ |z||g(z)| \le |z| $$ 整理すると、 $$ |z||g(z)| = \left| z {{f(z)} \over {z}} \right| = |f(z)| \le |z| $$
■
Osborne (1999). Complex variables and their applications: p103. ↩︎