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補助統計量 📂数理統計学

補助統計量

定義 1

$S$がサンプルの$\mathbf{X}$の統計量だとしよう。$S \left( \mathbf{X} \right)$の分布が母数$\theta$に依存しない場合、補助統計量ancillary statisticと言う。

説明

実際に話している時、誰も補助統計量とは言わず、[アンシラリースタティスティック]と発音する。

十分統計量が$\theta$に関して全ての情報を持つ感じだったら、補助統計量は$\theta$に関する情報が全くない統計量と考えられる。

例えば、正規分布$N \left( \mu , \sigma^{2} \right)$から得られたランダムサンプル$X_{1} , \cdots , X_{n}$を考えてみよう。統計量の一つである標本分散 $$ S^{2} = {{ 1 } \over { n -1 }} \sum_{k=1}^{n} X_{k}^{2} $$ は母分散$\sigma^{2}$に対する十分統計量だが、スチューデントの定理によると、 $$ {{ n-1 } \over { \sigma^{2} }} S^{2} \sim \chi_{n-1}^{2} $$ となる。つまり、標本分散が従うカイ二乗分布には$\mu$が現れず、$\mu$に対しては補助統計量である。


  1. Casella. (2001). Statistical Inference(2nd Edition): p282. ↩︎