グラフのファミリーとプロパティ
ビルドアップ
個のラベリングされた頂点の集合を持つ単純グラフを考えてみよう。このグラフの辺は異なる二つの頂点を選ぶ場合の数だけ存在可能で、そのためその種類は正確にだ。これを辺ごとではなく、グラフ全体として考えるなら、個の頂点が固定された状況で個の各辺が存在するか(1)しないか(0)のどちらかで区別できる。したがって、頂点が個の全てのグラフの集合は次のように表せるだろう。 もちろん、私たちはこれら全てのグラフに興呀を持っているわけではないので、必要な性質を持つグラフだけを集めてみたい。例えば、頂点個の平面グラフだけを集めた集合やオイラーグラフだけを集めた集合があるとするならば、これらはの部分集合として定義されると同時に、グラフがその部分集合に属していればその性質を持つと言えるので、それ自体を性質と呼ぶに足りる。たとえばならば、グラフは平面グラフであり、オイラーグラフだ。言い換えれば、グラフは平面である性質とオイラーグラフである性質を持っているのだ。
定義 1
- 個のラベリングされた頂点を持つグラフのファミリーは冪集合表現を使って次のように表される。
- グラフファミリーの部分集合をプロパティという。
- 個のラベリングされた頂点と個の辺を持つ単純グラフというプロパティを次のように定義する。
- に一つの辺が追加されても依然として保持されるプロパティを単調増加プロパティという。言い換えると、次を満たすを単調増加プロパティという。 逆に、一つの辺がなくなっても次のように依然として保持されるプロパティを単調減少プロパティという。 これらを総称してモノトーンプロパティという。
Frieze. (2015). Introduction to Random Graphs: p5~7. ↩︎