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力学系間の位相的同値性 📂動力学

力学系間の位相的同値性

定義 1

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{T,Rn,φt}{T,Rn,ψt} \left\{ T , \mathbb{R}^{n} , \varphi^{t} \right\} \\ \left\{ T , \mathbb{R}^{n} , \psi^{t} \right\} 二つの動力学系が上のように与えられているとしよう。時間の方向を保ちながら、一つ目のシステムの各オービットを二つ目のシステムの全てのオービットに対応させる位相同型写像homeomorphism h:RnRnh : \mathbb{R}^{n} \to \mathbb{R}^{n} が存在すれば、両システムは位相的同値topologically equivalentだと言われる。

説明

定義にある図を見ればわかるように、二つのシステムの位相的同値は、システム間の質的なqualitative 違いを見るために考慮される。右のシステムが左のシステムを少し潰したものだとしても、具体的な数字などの量的なquantitative 違いを除けば、両システムは実質的に同じに見える。数学者たちはこれらをわざわざ区別することを好まない。

続く定義 2

  1. 特に、その二つのシステムが次のようにマップで表されるシステムだとしよう。 xf(x)yg(y) \begin{align*} x & \mapsto f(x) \\ y & \mapsto g(y) \end{align*} それならば、f=h1ghf = h^{-1} \circ g \circ h を満たすホメオモルフィズム hh共役conjugateと呼ぶ。
  2. hh が二つのシステムが位相的同値になるように存在するホメオモルフィズムだとしよう。h,h1h, h^{-1} が微分可能であり、言い換えればhhディフェオモルフィズムであれば、二つのシステムはスムーズに等価smoothly equivalentだと言われる。
  3. 二つのシステムがx˙=f(x)\dot{x} = f(x) およびx˙=g(x)\dot{x} = g(x) のように表されるとしよう。スムーズな双方向関数μ>0\mu > 0 が次を満たせば、軌道的に等価orbitally equivalentであると言われる。 f(x)=μ(x)g(x),xRn f(x) = \mu (x) g(x) \qquad , x \in \mathbb{R}^{n}
  4. 一つ目のシステムの固定点x0x_{0} の近傍から二つ目のシステムの固定点y0y_{0} の近傍へ行くホメオモルフィズムhh が存在して、次の三つの条件を満たせば、二つのシステムは局所的に等価locally equivalentであると言われる。
    • (i): hhx0x_{0} の近傍URnU \subset \mathbb{R}^{n} で定義される。
    • (ii): y0=h(x0)y_{0} = h \left( x_{0} \right)
    • (iii): 時間の方向を保ちながら、一番目のシステムのUU 内の各オービットを二番目のシステムのV=h(U)RnV = h(U) \subset \mathbb{R}^{n} 内の全てのオービットに対応させる。

  • 微分可能でその導関数も連続な関数はスムーズだと言われる。

  1. Kuznetsov. (1998). Elements of Applied Bifurcation Theory(2nd Edition): p40. ↩︎

  2. Kuznetsov. (1998). Elements of Applied Bifurcation Theory(2nd Edition): p41~45. ↩︎