内積空間における0の性質
📂ヒルベルト空間内積空間における0の性質
定理
(X,⟨⋅,⋅⟩)を内積空間と呼ぼう。
(a) すべてのx∈Xに対して、以下が成立する。
⟨0,x⟩=0
(b) すべてのx∈Xに対して、次の式を満たすXの要素は0だけである。
∀x∈X, ⟨x,y⟩=0⟹y=0
(c) y,z∈Xとし、そして
⟨x,y⟩=⟨x,z⟩,∀x∈X
と仮定する。そうすると、以下が成立する。
y=z
説明
太字の0は、ベクトル空間 Xの加算における単位元としてのゼロベクトルを意味する。0は定数0を意味する。
証明
(a)
内積の定義により、
⟨0,x⟩=== ⟨x−x,x⟩ ⟨x,x⟩−⟨x,x⟩ 0
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(b)
0ではない要素y∈Xに対して**(a)**が成立すると仮定する。そうすると、yはXのすべての要素との内積が0でなければならず、自分自身との内積も0である。
⟨y,y⟩=0
しかし、これは内積の定義に反するので、**(a)**を満たす要素は0だけである。
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(c)
(3)を仮定する。そうすると
⟨x,y−z⟩=0∀x∈X
そして**(b)**によって
⟹y−z=y= 0 z
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