内積は連続写像であることを証明
📂ヒルベルト空間内積は連続写像であることを証明
定理
(X,⟨⋅,⋅⟩)が内積空間で、{xn}、{yn}がそれぞれx、
yに収束するXの数列だとしよう。すると、次が成立する。
⟨xn,yn⟩→⟨x,y⟩ as n→∞
極限が内積の内外を移動できるため、次の系を得る。
系
Hをヒルベルト空間、{xk}k∈NをHの数列、{ck}k∈N∈ℓ2(N)であり、k=1∑∞ckxkが収束するとする。すると、次の式が成立する。
⟨x,k=1∑∞ckxk⟩=⟨k=1∑∞ckxk,x⟩= k=1∑∞ck⟨x,xk⟩ k=1∑∞ck⟨xk,x⟩
説明
n→∞lim⟨xn,yn⟩=⟨n→∞limxn,n→∞limyn⟩=⟨x,y⟩
この式が成立することから、内積は連続写像であると連続の同値条件によって示される。非常に便利な性質であることは言うまでもない。
証明
内積の定義とコーシー・シュワルツの不等式を用いて簡単に示せる。
∣⟨xn,yn⟩−⟨x,y⟩∣=≤= ∣⟨xn,yn⟩−⟨x,yn⟩+⟨,yn⟩−⟨x,y⟩∣∣⟨xn,yn⟩−⟨x,yn⟩∣+∣⟨x,yn⟩−⟨x,y⟩∣ ∣⟨xn−x,yn⟩∣+∣⟨x,yn−y⟩∣
右辺にコーシー・シュワルツの不等式を適用すると、次のようになる。
∣⟨xn,yn⟩−⟨x,y⟩∣≤∥xn−x∥∥yn∥+∥x∥∥yn−y∥
この時、ノルムは連続写像であるため、n→∞lim∥xn−x∥=0であり、ynについても同様である。したがって、式の両辺に極限を取ると
⟹n→∞lim∣⟨xn,yn⟩−⟨x,y⟩∣≤n→∞lim⟨xn,yn⟩=0 ⟨x,y⟩
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