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多変数関数の畳み込み 📂フーリエ解析

多変数関数の畳み込み

定義

$f,g:\mathbb{R}^{n}\to \mathbb{C}$と$\mathbf{x},\mathbf{y} \in \mathbb{R}^{n}$とする。そうすると、これら二つの多変数関数のコンボリューションは次のようになる。

$$ f \ast g(\mathbf{x})=\int f(\mathbf{y})g(\mathbf{x}-\mathbf{y})d\mathbf{y} $$

この場合、上の積分は多変数関数の積分である。

性質

多変数関数のコンボリューションも単変数関数のコンボリューションが満たすよい性質をそのまま満たす。

(a) 交換法則

$$ f \ast g = g \ast f $$

(b) 分配法則

$$ f \ast (g+h)=f \ast g + f \ast h $$

(c) 結合法則

$$ f\ast (g\ast h)=(f \ast g)\ast h $$

(d) スカラー乗法の結合法則

$$ a(f \ast g)=(af \ast g)=(f\ast ag) $$

(e) 微分

$$ \partial_{j}(f \ast g)=(\partial _{j}f) \ast g=f \ast (\partial _{j}g)\quad \text{where } \partial_{j}=\frac{ \partial }{ \partial_{j}} $$

説明

また、コンボリューション収束定理コンボリューションノルム収束定理も当然満たされる。

$g\in L^{1}$と$\int g(\mathbf{x})d\mathbf{x}=1$としよう。そして$g_{\epsilon (\mathbf{x})}=\epsilon^{-n}g(\epsilon^{-1}\mathbf{x})$としよう。

  • (i) $f$が有界であるか、$g$がある閉区間の外で$0$だとしよう。そうすると$f \ast g$はよく定義されていて、もし$f$が$\mathbf{x}$で連続ならば、次が成り立つ。

    $$ \lim \limits_{\epsilon \to 0} f \ast g_{\epsilon}(\mathbf{x})=f(\mathbf{x}) $$

    もし$f$が閉じていて有界な$D$上で連続ならば、上の収束は$D$上で一様収束である。

  • (ii) もし$f\in L^{2}$ならば、次が成り立つ。

    $$ \lim \limits_{\epsilon \to 0} \left\| f \ast g_{\epsilon}-f \right\| =0 $$