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電子は核の構成要素にはなれない 📂量子力学

電子は核の構成要素にはなれない

定理

電子は原子核の成分になれない。

説明

1014m10^{-14}\mathrm{m} 程度の規模を持つ核は 1MeV10MeV1\mathrm{MeV} \sim10\mathrm{MeV} 範囲のエネルギーを持つ電子を放出する。核物理学の初期には、電子が核内に存在すると信じられていた。不確定性原理を使用すると、そのようなエネルギーを持つ電子が核内に閉じ込められないことを示すことができる。

証明

電子が原子核内にあると仮定すると、不確定性原理によって

p2rp2r \simeq \hbar

ここで、2r2r は原子核の直径だ。

KE=p22m=12m24r2=28mr2 K_{E}=\frac{p^2}{2m}=\frac{1}{2m}\frac{\hbar^2}{4r^2}=\frac{\hbar^2}{8mr^2}

実際に値を入れて計算してみると

28mr2100MeV \frac{\hbar^2}{8mr^2}\simeq 100\mathrm{MeV}

実験結果は 1MeV1\mathrm{MeV} 程度なので、rr がはるかに大きいことがわかる。したがって、電子は原子核から遠く離れていなければならないという結論が得られる。