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解析学におけるアルキメデスの原理 📂解析学

解析学におけるアルキメデスの原理

定理

正数$a$と実数$b$に対して、$an>b$を満たす自然数$n$が存在する。

説明

どんな$b$を持って来ても、常にそれより大きな$a$の$n$倍数を考えることができるという意味だ。「どんなに「小さい数でも、続けて足していくとどんどん大きくなる」という、非常に常識的で当たり前の原則だ。

浮力の原理やユーリカとは、全く関係がなく、名前だけが同じだ。

証明

戦略: 証明過程では、解析学の3つの公理が総動員される。どんなに当然の事実のように見えても、その公理を正確に言及しながら慎重に完成させることが鍵だ。


  • ケース 1

    もし$a>b$ならば、$n=1$の時$an>b$を満たす。

  • ケース 2

    $E := \left\{ n \in {\mathbb{N}} ,|, an<b \right\}$としよう。体の公理によって$a$の逆元$\dfrac{1}{a}$が存在し、順序の公理によって$\dfrac{1}{a}>0$である。したがって、次が成り立つ。

    $$ an<b \iff n < \dfrac{b}{a} $$

    つまり、$E = \left\{ n \in {\mathbb{N}} ,|, n < \dfrac{b}{a} \right\}$は上に有界だ。完全性の公理によって$\sup(E)$が存在するので、$an>b$を満たす$n=\sup(E)+1$が存在する。