曲線座標系における座標変換とヤコビアン
📂数理物理学曲線座標系における座標変換とヤコビアン
公式
3次元のデカルト座標系での体積は、任意の曲線座標系について次のように表される。
dxdydz=∂q1∂x∂q2∂x∂q3∂x∂q1∂y∂q2∂y∂q3∂y∂q1∂z∂q2∂z∂q3∂zdq1dq2dq3=∂q1∂x∂q1∂y∂q1∂z∂q2∂x∂q2∂y∂q2∂z∂q3∂x∂q3∂y∂q3∂zdq1dq2dq3
ここで、係数として表される行列式をジャコビアンJacobicanと呼び、Jと表記する。それぞれの座標系のジャコビアンは以下の通りである。
極座標系:
Jpolar=∂r∂x∂r∂y∂θ∂x∂θ∂y=r
円柱座標系:
Jcylinderical=∂ρ∂x∂ρ∂y∂ρ∂z∂ϕ∂x∂ϕ∂y∂ϕ∂z∂z∂x∂z∂y∂z∂z=ρ
球座標系:
Jspherical=∂r∂x∂r∂y∂r∂z∂θ∂x∂θ∂y∂θ∂z∂ϕ∂x∂ϕ∂y∂ϕ∂z=r2sinθ
証明

上記のように位置ベクトルrが変わるときに生じる平行六面体の体積は以下のようである。
drx⋅(dry×drz)=dxdydz
曲線座標系でdriをi成分がdqiだけ変わったときの位置ベクトルrの変化としよう。
dr=dr1+dr2+dr3
するとdrが作る平行六面体の体積は、デカルト座標系で表現されても、任意の曲線座標系で表現されても変わらない。つまり、どの座標系でもdr1⋅(dr2×dr3)の値は変わらず、表現する変数だけが違うということである。もしdqiが非常に小さい変化であるなら、以下のように近似できる。
dr1dr2dr3=r(q1+dq1,q2,q3)−r(q1,q2,q3)=dq1r(q1+dq1,q2,q3)−r(q1,q2,q3)dq1=∂q1∂rdq1=(∂q1∂xx^+∂q1∂yy^+∂q1∂zz^)dq1=∂q2∂rdq2=(∂q2∂xx^+∂q2∂yy^+∂q2∂zz^)dq2=∂q3∂rdq3=(∂q3∂xx^+∂q3∂yy^+∂q3∂zz^)dq3
だから、体積を計算すると以下のようになる。
dr1⋅(dr2×dr3)=(∂q1∂rdq1)⋅(∂q2∂rdq2×∂q3∂rdq3)=(∂q1∂r)⋅(∂q2∂r×∂q3∂r)dq1dq2dq3=∂q1∂x∂q2∂x∂q3∂x∂q1∂y∂q2∂y∂q3∂y∂q1∂z∂q2∂z∂q3∂zdq1dq2dq3
任意の行列Aについて、AT=∣A∣であるので、以下を得る。
dxdydz=∂q1∂x∂q2∂x∂q3∂x∂q1∂y∂q2∂y∂q3∂y∂q1∂z∂q2∂z∂q3∂zdq1dq2dq3=∂q1∂x∂q1∂y∂q1∂z∂q2∂x∂q2∂y∂q2∂z∂q3∂x∂q3∂y∂q3∂zdq1dq2dq3
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