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分布の収束 📂シュワルツ超函数

分布の収束

定義1

$D^{\ast}$を超関数空間、$\left\{ T_{n} \right\}$を$D^{\ast}$の中の超関数列としよう。全てのテスト関数 $\phi$に対して下の式が成立するなら、$\left\{ T_{n} \right\}$が$T$に弱収束するという。

$$ T_{n}(\phi) \to T(\phi) ,\quad \forall \phi \in \mathcal{D} $$

説明

超関数の収束を弱収束と呼ぶのは、$T$と$T_{n}$が正則超関数の場合には実際にヒルベルト空間での弱収束に相当するからである。


$T, T_{n}$が正則超関数とする。それに対応する局所可積分関数$u, u_{n}$が存在する。とすると、$T_{n} \to T$の時、次が成り立つ。

$$ \begin{align*} && T_{n}(\phi) = \int u_{n} (x) \phi (x) dx &\to \int u(x) \phi (x) dx = T(\phi) \\ \implies && \langle u_{n}, \phi \rangle &\to \langle u, \phi \rangle \end{align*} $$

従って、$T_{n}$が$T$に収束することは、$u_{n}$が$u$に弱収束することと同じである。

定理

$u, u_{n}$が下記の三つの条件の一つでも満たすなら、$T_{n} \to T$である。

  • (a) $u_{n} \to u$であり、全ての$n$に対して$\left| u_{n} \right| \le v $を満たす$v \in L_{\mathrm{loc}}^{1}$が存在する。

  • (b) 全ての有界集合上で$ u_{n}\rightrightarrows u$である。

  • (c) 全ての有界集合上で$u_{n} \to u \text{ in } L^{2}$である。


  1. Gerald B. Folland, Fourier Analysis and Its Applications (1992), p314 ↩︎