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超関数のダイレーション 📂シュワルツ超函数

超関数のダイレーション

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超関数はドメインが関数空間であるため、実数空間で定義された関数と同じ方法でダイレーションすることができない。しかし、正則超関数の場合、対応する局所可積分な関数uLloc1u\in L_{\mathrm{loc}}^{1}が存在し、以下のように表される。

Tu(ϕ)=u(x)ϕ(x)dx,ϕD T_{u}(\phi) =\int u(x)\phi (x) dx,\quad \phi \in \mathcal{D}

従って、uuにかけられるある作用SSによって、Su=uSu=u^{\prime}を得ることができるだろうが、まだuu^{\prime}が局所可積分関数であれば、そこに対応する超関数TuT_{u^{\prime}}が存在する。だから、uuに対する作用SSTuT_{u}に対する作用であるかのように考えてみるのだ。このアイデアを全超関数に拡張し、超関数のダイレーションを定義しようとしている。

2.PNG

c>0c>0に対するダイレーションをDcD_{c}としよう。そして、uuのダイレーションをu(x)=Dcu(x)=1cu(xc)u^{\prime}(x)=D_{c}u(x)=\frac{1}{\sqrt{c}}u({\textstyle \frac{x}{c}})としよう。すると、まだuLloc1u^{\prime}\in L_{\mathrm{loc}}^{1}が成り立つ。従って、対応する正則超関数TuT_{u^{\prime}}が存在し、テスト関数ϕD\phi \in \mathcal{D}に対しては次のようになる。

Tu(ϕ)=u(x)ϕ(x)dx=1cu(xc)ϕ(x)dx=u(x)cϕ(cx)dx=u(x)D1/cϕ(x)dx=Tu(D1/cϕ) \begin{align*} T_{u^{\prime}}(\phi)&=\int u^{\prime}(x)\phi (x)dx \\ &= \int \frac{1}{\sqrt{c}}u\left( \frac{x}{c} \right)\phi (x)dx \\ &=\int u(x) \sqrt{c}\phi (cx)dx \\ &= \int u(x) D_{1/c}\phi (x) dx \\ &= T_{u}(D_{1/c}\phi) \end{align*}

定義1

超関数TTのダイレーションは、次のように定義する。

(DcT)(ϕ):=Tu(D1/cϕ) (D_{c}T)(\phi):= T_{u}(D_{1/c}\phi)


  1. ジェラルド・B・フォーランド, フーリエ解析及びその応用 (1992), p311 ↩︎