p級数とp級数判定法
定義1
次のような 級数を $p$-級数p-seriesという。
$$ \sum\limits_{n=1}^{\infty} \dfrac{1}{n^{p}} $$
説明
累乗数の無限和に対する一般化だ。下で紹介する判定法は$p$-級数に対してのみ使えるが、条件と結果が非常に簡単明瞭だ。
$p$-級数判定法
$\displaystyle \sum\limits_{n=1}^{\infty} \dfrac{1}{n^{p}}$は$p \gt 1$のとき収束し、$p \le 1$のとき発散する。
証明
$f(x) = \dfrac{1}{x^{p}}$としよう。すると$f(n) = \dfrac{1}{n^{p}}$で、$f$は$[1, \infty)$で連続かつ減少している。したがって積分判定法が使用できる。
$$ \int_{1}^{\infty} f(x) dx \text{ is convergent} \iff \sum\limits_{n=1}^{\infty} a_{n} \text{ is convergent} $$
積分判定法によって、積分$\displaystyle \int_{1}^{\infty} \dfrac{1}{x^{p}}dx$が収束すれば$p$-級数も収束し、積分が発散すれば$p$-級数も発散する。この積分は$p \gt 1$のときのみ収束するので、$p$-級数は$p \gt 1$のときのみ収束する。
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James Stewart, Daniel Clegg, and Saleem Watson, Calculus (early transcendentals, 9E), p754-755 ↩︎