コンプトンカメラの原理
原理
コンプトンカメラはコンプトン散乱を利用してガンマ線を放出する物質の位置を見つけ出す装置だ。Compton telescopeあるいはCompton imagerとも呼ばれる。
図の右側には、コンプトンカメラが単に2つの検出器で表されている。検出器はガンマ線のエネルギーを測定し、最初の検出器ではガンマ線の散乱が起きる。図の左側の黒い四角は、破壊せずに内部構造を知りたい対象だ。具体的な例としては、人体、コンテナボックスなどがある。オブジェクト内部に放射性物質があるかどうか、あるならばどこにあるかを知ることが目的だ。
上の図のように放射線が測定されたとしよう。すると、光は最短距離を移動するので、図のような経路で動いたことが明らかだ。最初の検出器でガンマ線が散乱する前のエネルギーを$E$、二つ目の検出器でガンマ線が散乱した後のエネルギーを$E^{\prime}$としたとしよう。
$$ \cos \theta = 1-\frac{m_{e}c^{2}(E-E^{\prime})}{E^{\prime}E} $$
すると、コンプトン散乱式を通じて散乱角$\theta$を知ることができる。そうすると、逆に考えて、散乱する前のガンマ線の進行経路を下の図のように予測できる。
すると、僕たちは赤色で示された部分のどこかからガンマ線が来たと想定できる。それはつまり、放射線を放つ物質が赤線で示された場所のどこかにあるということと同じだ。このような情報を集めてコンピュータで計算すると、具体的な内部構造を知ることができるようになる。