距離空間における連続性とコンパクト性
定理
$X$をコンパクト距離空間、$Y$を距離空間、$f:X\to Y$が連続だとする。すると、$f(X)$はコンパクトである。
コンパクトという条件は省略できない。
証明
$\left\{ O_\alpha \right\}$を$f(X)$の開被覆とする。$f$が連続であるため、同値条件により、各逆像$f^{-1}(O_{\alpha})$も$X$で開集合である。従って、$\left\{ f^{-1}(O_{\alpha}) \right\}$は$X$の開被覆であり、$X$がコンパクトであるため、
$$ X \subset f^{-1}(O_{\alpha_{1}})\cup \cdots \cup f^{-1}(O_{\alpha_{n}}) $$
を満たす$\alpha_{1},\cdots,\alpha_{n}$が存在する。従って、逆像の定義により、以下が成り立つ。
$$ f(X) \subset O_{\alpha_{1}}\cup \cdots \cup O_{\alpha_{n}} $$
従って、$f(X)$はコンパクトである。
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結果
$X$をコンパクト距離空間、$\mathbf{f} :X\to \mathbb{R}^{k}$が連続だとする。すると、$\mathbf{f}(X)$は閉じていて有界である。また、$\mathbf{f}$も有界である。
定義
実数値関数$\mathbf{f}: E \to \mathbb{R}^{k}$が与えられたとする。全ての$x \in E$に対して、
$$ \left|\mathbf{f}(x) \right| \le M $$
を満たす実数$M$が存在するならば、$\mathbf{f}$を有界という。
証明
ユークリッド空間でのコンパクトの同値条件と上記の定理により、$\mathbf{f}(X)$は閉じており有界である。$\mathbf{f}(X)$が有界であるため、$\mathbf{f}$も有界である。
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