第二種楕円積分
定義
下記の積分を第2種完全楕円積分complete elliptic integral of the second kindという。
$$ E(k)=\int_{0}^{{\textstyle \frac{\pi}{2}}}\sqrt{1-k^{2} \sin ^{2} \theta} d\theta $$
下記の積分を第2種不完全楕円積分incomplete elliptic integral of the second kindという。
$$ E(\phi, k)=\int_{0}^{\phi}\sqrt{1-k^{2} \sin ^{2} \theta}d\theta $$
説明
これら二つの積分が楕円積分と名付けられた理由は、楕円の周囲を計算する過程で生じたからだ。
$$ \frac{x^{2}}{a^{2}}+\frac{y^{2}}{b^{2}}=1,\quad (0<a<b) $$
楕円が与えられた場合、
$$ 4bE(k),\quad k^{2}=\frac{b^{2}-a^{2} }{b^{2}} $$
その周囲は上記のように計算できる。$k$による第2種完全楕円積分のグラフは下記の通りである。
楕円の方程式では、$a=b$の場合、円となり、$E(0)=1.571$であれば、
$$ 4b\times 1.571=2\pi b $$
従来の円周の公式が出ることになる。一方、不完全楕円積分は、特定の角度までの楕円の弧の長さを示す。ただし、角度$\theta$は一般的な極座標の角度とは異なり、下記の図のようになる。