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ラグール微分方程式の直列解法 📂微分方程式

ラグール微分方程式の直列解法

定義

次の微分方程式をラゲールLaguerre微分方程式と呼ぶ。

$$ xy^{\prime \prime}+(1-x)y^{\prime}+ny=0,\quad n=0,1,2,\cdots $$

説明

ラゲール微分方程式の解をラゲール多項式と呼び、最初の数個のラゲール多項式は以下の通りである。

$$ \begin{align*} L_{0}(x) &= 1 \\ L_{1}(x) &= -x+1 \\ L_{2}(x) &= \frac{1}{2}\left( x^{2}-4x+2 \right) \\ L_{3}(x) &= \frac{1}{6}\left( -x^{3}+9x^{2}-18x+6 \right) \\ \vdots & \end{align*} $$

方程式を解くために式を見ると、$x=0$の時$y^{\prime \prime}$の係数$P(x)=x$が$0$であるため、$x=0$は特異点であり、下の式を満たすため$x=0$は正則特異点である。

$$ \lim \limits_{x\rightarrow 0} x \frac{1-x}{x}=1<\infty,\quad \lim\limits_{x\rightarrow 0}x^{2}\frac{n}{x}=0 < \infty $$

従ってフロベニウス方法を使用する。

解答

$$ xy^{\prime \prime}+(1-x)y^{\prime}+\lambda y=0 $$

上のようなラゲール微分方程式の解を以下のような級数と仮定する。

$$ y= \sum \limits _{n=0}^{\infty} a_{n}x^{n+r} $$

微分方程式に代入するために$y^{\prime}$、$y^{\prime \prime}$を求めるとそれぞれ以下の通りである。

$$ \begin{align*} y^{\prime} &= \sum \limits _{n=0}^{\infty} (n+r)a_{n}x^{n+r-1} \\ y^{\prime \prime}&= \sum \limits _{n=0}^{\infty}(n+r)(n+r-1)a_{n}x^{n+r-2} \end{align*} $$

これを微分方程式に代入すると $$ \sum \limits _{n=0}^{\infty}(n+r)(n+r-1)a_{n}x^{n+r-1}+ \sum \limits _{n=0}^{\infty} (n+r)a_{n}x^{n+r-1} - \sum \limits _{n=0}^{\infty} (n+r)a_{n}x^{n+r} +\lambda \sum \limits _{n=0}^{\infty} a_{n}x^{n+r}=0 $$

$x$の次数を$n+r$に合わせるために最初の2つの級数のインデックスを変えると以下のようになる。

$$ \sum \limits _{n=-1}^{\infty}(n+r+1)(n+r)a_{n+1}x^{n+r}+ \sum \limits _{n=-1}^{\infty} (n+r+1)a_{n+1}x^{n+r} - \sum \limits _{n=0}^{\infty} (n+r)a_{n}x^{n+r} +\lambda \sum \limits _{n=0}^{\infty} a_{n}x^{n+r}=0 $$

これで$n=-1$の項を外に出し、級数を一つにまとめると

$$ r(r-1)a_{0}+ra_{0}+\sum \limits _{n=0}^{\infty} \left[ (n+r+1)(n+r)a_{n+1}+(n+r+1)a_{n+1}-(n+r)a_{n}+\lambda a_{n} \right]x^{n+r}=0 $$

この式が成立するためには全ての項の係数が$0$でなければならないので以下の条件を得る。

$$ \begin{align*} && r(r-1)a_{0}+ra_{0} &= 0 \\ \implies && r^{2}a_{0} &= 0 \\ \implies && r &= 0 \end{align*} $$

級数内の係数も$0$でなければならないので、$r=0$を代入すると以下のような再帰式を得る。

$$ \begin{align*} && (n+1)na_{n+1}+(n+1)a_{n+1}-na_{n}+\lambda a_{n} &= 0 \\ \implies && (n+1)^{2}a_{n+1} &= (n-\lambda)a_{n} \\ \implies && a_{n+1} &= \frac{n-\lambda}{(n+1)^{2}}a_{n} \end{align*} $$

従って、$n=1$以上の係数は全て$a_{0}$で表せる。順番に求めると以下のようになる。

$$ \begin{align*} a_{1} &= -\lambda a_{0} \\ a_{2} &= \frac{1-\lambda}{2^{2}}a_{1}=\frac{\lambda (\lambda - 1)}{2^{2}}a_{0} \\ a_{3} &= \frac{2-\lambda}{3^{2}}a_{2}=-\frac{\lambda (\lambda-1)(\lambda-2)}{3^{2}\cdot2^{2}}a_{0} \\ \vdots & \\ a_{n} &= (-1)^{n}\frac{\lambda (\lambda -1)\cdots (\lambda-n+2)(\lambda-n+1)}{n^{2}(n-1)^{2}\cdots 2^{2}}a_{0} \end{align*} $$

従って、微分方程式の解は以下のような級数で表される。

$$ y= a_{0}\left[ 1-\lambda x +\frac{\lambda (\lambda-1)}{4}x^{2} -\frac{\lambda (\lambda-1)(\lambda-2)}{36}x^{3}+\cdots\right] $$

この時、定数$\lambda$が非負の整数であれば級数解が有限項の多項式になることがわかる。我々は発散しない解を求めることが目標なので、非負の$\lambda$に対するラゲール微分方程式の解を$L_{\lambda}(x)$と表そう。すると、各$\lambda$に対する解は以下の通りである。

$$ \begin{align*} L_{1}(x) &= a_{0} \\ L_{1}(x) &= a_{0}(1-x) \\ L_{2}(x) &= a_{0}\left( 1-2x + \frac{1}{2}x^{2} \right) \\ L_{3}(x) &= a_{0} \left( 1-3x+\frac{3}{2}x^{2}-\frac{1}{6}x^{3}\right) \\ \vdots & \end{align*} $$

$a_{0}$を$1$として、最高次の係数が$\pm 1$になるように整理すると

$$ \begin{align*} L_{1}(x) &= 1 \\ L_{1}(x) &= -x+1 \\ L_{2}(x) &= \frac{1}{2}\left( x^{2}-4x+2 \right) \\ L_{3}(x) &= \frac{1}{6}\left( -x^{3}+9x^{2}-18x+6 \right) \\ \vdots & \end{align*} $$