ベッセル関数の直交性
📂関数ベッセル関数の直交性
定理
α,βを第一種ベッセル関数のJν(x)の根とする。すると区間[0,1]でxJν(x)は直交集合を形成する。
∫01xJν(αx)Jν(βx)dx={021Jν+12(α)=21Jν−12(α)=21Jν′2(α)α=βα=β
説明
上の内容は'ベッセル関数 Jν(x)が区間 [0,1]で重み関数 xに対して直交する'とも表現できる。
証明
α=β
Jν(αx)、Jν(βx)が満たす微分方程式は以下の通り。
x(xy′)′+(α2x2−ν2)yx(xy′)′+(β2x2−ν2)y=0=0
ここで、Jν(αx)=u、Jν(βx)=vと置換すると
x(xu′)′+(α2x2−ν2)ux(xv′)′+(β2x2−ν2)v=0=0
今、v⋅(1)−u⋅(2)を計算すると
⟹⟹vx(xu′)′−ux(xv′)′+(α2−β2)x2uv=0v(xu′)′−u(xv′)′+(α2−β2)xuv=0(vxu′−uxv′)′+(α2−β2)xuv=0
両辺を区間[0,1]で積分すると
[vxu′−uxv′]01+(α2−β2)∫01xuvdx=0(3)
u(1)=Jν(α)=0=Jν(β)=v(1)であるので、最初の項は0である。従って、
(α2−β2)∫01xuvdx=0
しかし、(α2−β2)=0なので、
∫01xuvdx=∫01xJν(αx)Jν(βx)=0
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α=β
今度は、αはJν(x)の根であり、βはそうではないと仮定しよう。上の証明から、(3)はα、βがJν(x)の根であるかどうかにかかわらず導出できるので、(3)から始めよう。まとめると、
⟹⟹⟹[v(1)u′(1)−u(1)v′(1)]+(α2−β2)∫01xuvdx[Jν(β)αJν′(α)−Jν(α)βJν′(β)]+(α2−β2)∫01xuvdxJν(β)αJν′(α)+(α2−β2)∫01xuvdx∫01xJν(αx)Jν(βx)dx=0=0=0=β2−α2Jν(β)αJν′(α)
ここで、両辺にβ→αの極限を取ると、
β→αlim∫01xJν(αx)Jν(βx)dx=β→αlimβ2−α2Jν(β)αJν′(α)=00
従って、ロピタルの定理を使って計算しよう。右辺をβで微分すると、
β→αlim∫01xJν(αx)Jν(βx)dx=β→αlimβ2−α2Jν(β)αJν′(α)=β→αlim2βJν′(β)αJν′(α)=2αJν′(α)αJν′(α)=21Jν′(α)
そして、ベッセル関数の再帰関係 (e)により、
21Jν′(α)=21Jν−1(α)=21Jν+1(α)
従って、
∫01xJν2(αx)dx=21Jν+12(α)=21Jν−12(α)=21Jν′2(α)
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