ド・ブロイ方程式と物質波
説明
光が波なのか粒子なのかという問題は、物理学の歴史の中で大きな関心事だった。20世紀初頭のいくつかの実験を通じて、光は粒子の性質と波の性質を同時に持っていることが分かった。
$$ \begin{align} E=\sqrt{p^2c^2+m_{0}^{2}c^{4}} \\ E=h\nu= \frac{hc}{\lambda} \end{align} $$
粒子の相対論的エネルギーを表現する式 $(1)$と光電効果から得られた式 $(2)$によって、質量が $0$の光子の波長を運動量とプランク定数で表現できることがわかる。
$$ \begin{align} \lambda=\frac{h}{p} \end{align} $$
この時、ド・ブロイは驚くべきアイデアを提案した。光だけでなくすべての物質が二重性を持っていると主張した。したがって粒子も波動性を持ち、波の特性の一つである波長を持っていることになる。そして、その波長は $(3)$によって与えられる。これをド・ブロイの物質波理論と呼ぶ。そしてこれはデビソンC. J. DavissonとガーマーL. H. Germerの電子の回折を観測する実験によって証明された。それゆえに、粒子の波長は以下のように表現され、これをド・ブロイ関係式と呼ぶ。
ド・ブロイ関係式
粒子の波長は次の通りだ。
$$ \lambda=\frac{h}{p}=\frac{h}{mv} $$
また、波数と波長の関係式 $k=\frac{2\pi}{\lambda}$を利用すれば、波数もプランク定数と運動量で表現可能だ。
$$ k=\frac{p}{\hbar} $$
もちろん、実際には電子のように質量が非常に小さい粒子に対してのみ成立する。すべての粒子に適用されるなら、壁に向かって走るとそのまま通過できるはずだが、実際にはただぶつかるだけなので、巨大な世界では成立しないことが簡単にわかる。