幾何的デュアルグラフ
定義 1
与えられた平面グラフ に対して、幾何学的双対グラフ は以下のように作られる。
- ステップ 1.
の各フェース に対応する頂点 を置く。 - ステップ 2.
の各エッジ と重なるように対応するエッジ を描く。 - ステップ 3.
元のグラフを消して、とで構成されるグラフをとする。
- 平面グラフが描かれると、平面上で区別される領域をフェースと呼ぶ。
説明
双対性dualityは、数学や物理学全般で一般的に見られる普遍的な概念であり、関数解析学では双対空間などの形で現れる。具体的に、以下のグラフ に対してその双対グラフ を作ってみよう:
グラフ は3つのフェース を持っている。各フェースに対応する3つの頂点 を次のように置く。
今、各 を繋ぐエッジ を引く。ただし、この時のエッジは全て元のグラフのエッジ を通るように引かなければならない。
元のグラフを消せば、求めていたの双対グラフ だけが残る。が単純グラフだからといっても単純グラフである必要はないことに注意せよ。
一方で、双対グラフは次のような直感的な性質を持ち、特に性質[3]は、双対という概念が抽象的に拡張される可能性を示している。
基本性質
- [1]: 連結平面グラフ が 個の頂点、個のエッジ、個のフェースを持ち、その幾何学的双対グラフ が 個の頂点、個のエッジ、個のフェースを持つ場合、
- [2]: が連結平面グラフなら、はと同型である。
- [3]: 平面グラフ とその幾何学的双対グラフ について、がサイクル はカットセットになる
証明
[3]
のサイクル は少なくとも一つのフェースを囲んでいるので、これらのフェースに対応するの頂点集合 が存在するだろう。に対応するをから取り除くと、はだけで構成されたグラフとだけで構成された2つのサブグラフに分かれるので、はのカットセットになる。
実質同じなので省略する。
■
Wilson. (1970). Introduction to Graph Theory: p73. ↩︎