リース基底
📂ヒルベルト空間リース基底
定義
ヒルベルト空間 Hの正規直交基底 {ek}k∈Nが与えられているとしよう。全射 U:H→Hが線形かつ有界な作用素で全ての k∈Nに対して vk:=Uekとすると、 {vk}k∈Nは Hの基底になり、次が成り立つ。
v=k∈N∑⟨v,(U−1)∗ek⟩vk
説明
Uが与えられたときの上記のように具体的に基底を選ぶことができるのは確かに良いことだが、Uの条件もそれに相応しく良いものでなければならないことに注意しよう。もちろん、恒等作用素 Iはこれを軽々と満たすが、結局 vk=ekとなり、空虚な主張しか残らない。
証明
{ek}k=1∞が Vの基底であるので、v∈Vが a1=⋯=0でなく{ak}k=1∞⊂Cに対しては、以下のように表される。
v=k=1∑∞akek
{ek}k=1∞ の正規直交性により ⟨ei,ei⟩=1であり、i=jに対して ⟨ei,ej⟩=0であるため、
⟨v,v⟩=k=1∑∞ak2
一方 v=∑k=1∞akekから、
⟨v,v⟩=k=1∑∞ak⟨v,ek⟩
というわけで、
k=1∑∞ak2=k=1∑∞ak⟨v,ek⟩
まとめると、
k=1∑∞ak(ak−⟨v,ek⟩)=0
したがって、全ての k∈Nに対して ak=⟨v,ek⟩でなければならない。
v=k=1∑∞⟨v,ek⟩ek
作用素 Uを取ると、
Uv=k=1∑∞⟨v,ek⟩vk
ここで、U−1の随伴作用素 (U−1)∗は、リースの表示定理により一意に存在する。
v===U(U−1v)k=1∑∞⟨U−1v,ek⟩vkk=1∑∞⟨v,(U−1)∗ek⟩vk
したがって、全ての v∈Hと{vk=Uek}k=1∞に対して、次を満たす{ck:=⟨v,(U−1)∗ek⟩}k∈N⊂Cが一意に存在する。
v=k=1∑∞ckvk
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