フルーリーのアルゴリズムの証明
定義 1
をオイラーグラフとしよう。すると次の方法でオイラートレイルを作ることができる。
任意の頂点から始め、次の二つのルールに従ってトレイルを作る:
- エッジが消えてグラフが分断される場合、を橋と呼ぶ。
説明
オイラーグラフのオイラートレイルは定義によりその存在が保証されているが、オイラートレイルが具体的にどういうものかまでは分からない。フルーリのアルゴリズムは与えられたオイラーグラフからオイラートレイルを作り出す。
証明
オイラーグラフの同値条件:を連結グラフとする。
がオイラーグラフで、の全ての頂点の次数が偶数であることは同値である。
トレイルがから出て頂点に入ると、そのエッジを消す。もしならば、になるまでループする。の場合、消されたサブグラフはまだ連結グラフであり、との二つの頂点のみが奇数の次数を持つ。したがって、このような削除をもう一度行った時、がまだ連結グラフであることを示さなければならない。ある頂点に対してが連結グラフでないと仮定するならば、それはを含まずにを含む何らかのコンポーネントが存在するということである。の頂点は次数が奇数であるため、は奇数の次数を持つもう一つの頂点を持たなければならない。しかし、これは矛盾であるため、は連結グラフであることが保証される。つまり、このような削除を繰り返しても連結グラフのままであり、ルール(ii)によると、どのステップでも橋は最後にしか消せないため、トレイルの終点はでなければならない。
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Wilson. (1970). Introduction to Graph Theory: p33. ↩︎