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プリコンパクト確率過程 📂確率論

プリコンパクト確率過程

定理

可測空間 $(S, \mathcal{S})$ から $(S ', \mathcal{S} ')$ へ行く連続関数たちを集めた関数空間を $\mathscr{H}:= C \left( S,S’ \right)$と置いて、$\left\{ h^{-1}(A’): h \in \mathscr{H} , A ' \in \mathcal{S} ' \right\}$ が $(S , \mathcal{S})$ のセパレーティングクラスだとしよう。$X$ は $S$ で定義された確率要素、$\left\{ X_n \right\}_{n \in \mathbb{N}}$ は $S$ で定義された確率過程だ。

もし

  • (i) $\left\{ X_{n} \right\}$ はプリコンパクトだ。
  • (ii) すべての $h \in \mathscr{H}$ に対して $h \left( X_{n} \right) \overset{D}{\to} h(X)$

ならば、$X_{n} \overset{D}{\to} X$ である。

説明

連続写像定理が $X_{n} \overset{D}{\to} X \implies h(X_{n}) \overset{D}{\to} h(X)$ であることを示すために $P(X \in C_{h})=1$ という条件を必要としたように、その逆を示すためにはプリコンパクトという条件が必要だ。

証明

仮定 (i) から確率過程 $\left\{ X_{n} \right\}$ がプリコンパクトであることは、すべてのサブシーケンス $\left\{ X_{n '} \right\} \subset \left\{ X_{n} \right\}$ に対して、ある $Y \in S$ に収束するサブシーケンスのサブシーケンス $$\left\{ X_{n ''} \right\} \subset\left\{ X_{n '} \right\} \subset \left\{ X_{n} \right\}$$ が存在するということだ。つまり $X_{n ''} \overset{D}{\to} Y$ を満たす $Y \in S$ と $\left\{ X_{n ''} \right\}$ が存在し、それからすべての $h \in \mathscr{H}$ に対して $$h \left( X_{n ''} \right) \overset{D}{\to} h \left( Y \right)$$ そして、仮定 (ii) から $h \left( X_{n} \right) \overset{D}{\to} h(X)$ だから $$h \left( X_{n ''} \right) \overset{D}{\to} h \left( X \right)$$ 一方で $\left\{ h^{-1}(A’): h \in \mathscr{H} , A ' \in \mathcal{S} ' \right\}$ はセパレーティングクラスとして置かれたから、すべての $A \in \mathcal{S} ' $ と $h \in \mathscr{H}$ に対して $$ \begin{align*} & h(X) \overset{D}{=} h(Y) \\ \iff & P \left( X \in h^{-1}(A) \right) = P \left( Y \in h^{-1}(A) \right) \\ \iff & P \circ X^{-1} = P \circ Y^{-1} \qquad \text{, on }\left\{ h^{-1}(A’): h \in \mathscr{H} , A ' \in \mathcal{S} ' \right\} \\ \color{red}{\iff}& P \circ X^{-1} = P \circ Y^{-1} \qquad \text{, on } (S,\mathcal{S}) \\ \iff &X \overset{D}{=} Y \end{align*} $$