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条件付きイェンセンの不等式の証明 📂確率論

条件付きイェンセンの不等式の証明

定理

確率空間 $( \Omega , \mathcal{F} , P)$ とサブシグマフィールド $\mathcal{G} \subset \mathcal{F}$ が与えられているとし、$X$ が確率変数であるとする。

凸関数 $\phi : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ と $\phi (X) \in \mathcal{L}^{1} ( \Omega ) $について $$ \phi \left( E \left( X | \mathcal{G} \right) \right) \le E \left( \phi (X) | \mathcal{G} \right) $$


  • $\phi$ が凸であるとは、全ての $x,y \in \mathbb{R}$ と $\alpha \in [0,1]$ に対して次を満たす関数であることを意味する。 $$ \phi ( \alpha x + (1 - \alpha ) y ) \le \alpha \phi (x) + (1 - \alpha ) \phi (y) $$
  • $\mathcal{G}$ が $\mathcal{F}$ のサブシグマフィールドであるとは、両者が $\Omega$ のシグマフィールドであり、$\mathcal{G} \subset \mathcal{F}$ であるということである。

説明

条件付きイェンセンの不等式は、名前が示す通り、条件付きでもイェンセンの不等式の期待値形が同様に適用されることを保証する。

証明

条件付き期待値の性質:

  • $X$ が $\mathcal{F}$-可測ならば $E(X|\mathcal{F}) =X \text{ a.s.}$
  • 定数 $a$ と $b$ に対して $E(aX + b | \mathcal{G}) = a E(X | \mathcal{G}) + b \text{ a.s.}$

$\phi$ は凸であるので、全ての $\mu \in \mathbb{R}$ に対して $$ \begin{align} \phi ( x ) \ge m ( x - \mu ) + \phi ( \mu) \end{align} $$ 満たす傾き $m$ が存在する。今 $\mu := E \left( X | \mathcal{G} \right)$ として、$(1)$ に条件付き期待値 $E \left( \cdot | \mathcal{G} \right)$ を取ると、$\mu$ と $\phi \left( E \left( X | \mathcal{G} \right) \right)$ は $\mathcal{G}$-可測であるため $$ \begin{align*} E \left( \phi (X) | \mathcal{G} \right) \ge& m E \left( X - \mu | \mathcal{G} \right) + E \left( \phi ( \mu ) | \mathcal{G} \right) \\ =& m E \left( X | \mathcal{G} \right) - m E \left( E \left( X | \mathcal{G} \right) | \mathcal{G} \right) + E \left( \phi ( \mu ) | \mathcal{G} \right) \\ =& m E \left( X | \mathcal{G} \right) - m E \left( X | \mathcal{G} \right) + E \left( \phi ( \mu ) | \mathcal{G} \right) \\ =& E \left( \phi ( \mu ) | \mathcal{G} \right) \\ =& E \left( \phi \left( E \left( X | \mathcal{G} \right) \right) | \mathcal{G} \right) \\ =& \phi \left( E \left( X | \mathcal{G} \right) \right) \end{align*} $$

参照