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有限シグマ測度 📂測度論

有限シグマ測度

定義 1

可測空間 $( X , \mathcal{E} )$が与えられたとする。

  1. $\mu (X) < \infty$のとき、$\mu$を有限測度と呼ぶ。
  2. $$\displaystyle X = \bigcup_{i=1}^{\infty} E_{i} \qquad , E_{i} \in \mathcal{E}$$ となる全ての$i \in \mathbb{N}$に対して$\mu ( E_{i} ) < \infty$となるとき、シグマ有限測度と呼び、また、順序対$(X, \mathcal{E}, \mu)$をシグマ有限測度空間と呼ぶ。
  3. $\mu ( E ) = \infty$である全ての$E \in \mathcal{E}$に対して、$0 < \mu (F) < \infty$を満たす$E$の部分集合$F \in \mathcal{E}$が存在するならば、$\mu$を準有限semifinite測度と呼ぶ。
  4. $\nu$が与えられた可測空間上の符号付き測度であり、全変動$| \nu |$が有限(シグマ有限)測度である場合、$\nu$を有限(シグマ有限)測度と呼ぶ。

説明

  1. 有限測度の代表的な例として確率がある。
  2. シグマ有限測度は、全集合$X$に対する有限測度の条件が緩和されたものである。全集合を構成する$E_{i}$は有限でなければならないが、その和$\displaystyle \sum_{i \in \mathbb{N}} \mu ( E_{i} )$まで有限である必要はない。つまり、$\mu (X)=\infty$でも$\mu (X) <\infty$でも構わない。定義により、$\mu (X)<\infty$であるシグマ有限測度は有限測度となる。
  3. 準有限測度の定義で重要なポイントは、$F$が$0 < \mu (F)$を満たすという点である。この条件がなければ、シグマ代数には空集合が含まれるため、全ての測度がこの条件を満たすことができる。すべてのシグマ有限測度は準有限測度であるが、逆は成り立たない。
  4. 下記の条件が等価であることは容易に確認できる。
    • $(a)$ $\nu$がシグマ有限である。
    • $(b)$ $\nu^+$、$\nu^-$がシグマ有限である。
    • $(c)$ $| \nu |=\nu^+ + \nu^-$がシグマ有限である。

  1. Bartle. (1995). The Elements of Integration and Lebesgue Measure: p19~20. ↩︎