余弦定理の証明
📂抽象代数余弦定理の証明
定理
群 ⟨G,∗⟩ の要素 a,b,c に対して、
a∗b=a∗c⟹b=cb∗a=c∗a⟹b=c
解説
抽象代数を学び始めると、これまで学んできたことを新しい言葉で学ぶことになる。恐らく、約分法則はその中でも最初に出会う定理だろう。通常、両辺で同じものを割る(逆元を掛ける)と単純に言う。約分法則は日本で使われる表現だが、何か名前で覚えたいなら、英語の表現を知っておくべきだ。
証明
a∗b=a∗c とすると、a は G の要素なので、左逆元 a′ が存在する。左逆元 a′ を両辺に掛けると
a’∗ (a∗b)=a’∗ (a∗c)
結合法則が成り立つので
(a’∗ a)∗b=(a’∗ a)∗c
逆元の定義により、G の単位元を e とすると (a’∗ a)=e だから
e∗b=e∗c
単位元の定義により
b=c
右側の場合も同じ方法で証明すればいい。
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