測度論によって定義された確率変数の密度と累積分布関数
📂確率論測度論によって定義された確率変数の密度と累積分布関数
定義
確率空間 (Ω,F,P) が与えられて、m が測度だとしよう。
- 測度P:F→Rが積分可能なf≥0に対して
A↦P(A)=∫Afdm
の形を取る場合、Pを絶対連続absolutely Continuousと言う。特に、このようなfを測度mに関するPの密度という。
- 次のように定義されるFを密度fに対応する(累積)分布関数という。
F(y):=∫−∞yf(x)dx
- 次のように定義されるFXを確率変数Xの(累積)分布関数という。
FX(y):=PX((−∞,y])
- 全てのy∈Rに対して、次を満たすfXを確率変数Xの密度という。
FX(y)=∫−∞yfX(x)dx
- 測度論にまだ触れていない場合、確率空間という言葉は無視しても問題ない。
説明
当然のことながら、確率の定義により∫Ωfdm=P(Ω)=1である。
絶対連続
PがP(A)=∫Afdmの場合、絶対連続というのはちょっと考えれば、特に奇妙なことはない。それは、Pにどんなに不連続な点があっても、P(A)とAに点を加えたA∪{a}に対するP(A∪{a})の関数値が大きく異なることはできないから―連続であるからだ。これは、Pやfに関係なく、測度mの性質から生じるものだ。もしfが不連続関数であっても、条件を満たすならPは連続でなければならない。
定理
分布関数の性質
分布関数は次の性質を持つ:
- [1] 単調増加:
y1≤y2⟹FX(y1)≤FX(y2)
- [2] 端での極限:
y→∞limFX(y)=y→−∞limFX(y)=10
- [3] 右連続: y≥y0に対して
y→y0⟹FX(y)→FX(y0)
- [4] 密度が定義されると、期待値の別の便利な表現を得る。
E(X)=∫0∞P(X>t)dt
証明
[4]
0≤y≤t<∞およびフビニの定理によって
∫0∞P(X>t)dt=======∫0∞PX((∞,t])dt∫0∞FX(t)dt∫0∞∫t∞fX(y)dydt∫0∞∫0yfX(y)dtdy∫0∞∫0ydtfX(y)dy∫0∞yfX(y)dyE(X)
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参照