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測度論によって定義された確率変数の密度と累積分布関数 📂確率論

測度論によって定義された確率変数の密度と累積分布関数

定義 1

確率空間 $( \Omega , \mathcal{F} , P)$ が与えられて、$m$ が測度だとしよう。

  1. 測度$P : \mathcal{F} \to \mathbb{R}$が積分可能な$f \ge 0$に対して $$ A \mapsto P(A) = \int_{A} f dm $$ の形を取る場合、$P$を絶対連続absolutely Continuousと言う。特に、このような$f$を測度$m$に関する$P$の密度という。
  2. 次のように定義される$F$を密度$f$に対応する(累積)分布関数という。 $$ F(y) := \int_{-\infty}^{y} f(x) dx $$
  3. 次のように定義される$F_{X}$を確率変数$X$の(累積)分布関数という。 $$ F_{X} (y) := P_{X} \left( ( -\infty , y ] \right) $$
  4. 全ての$y \in \mathbb{R}$に対して、次を満たす$f_{X}$を確率変数$X$の密度という。 $$ F_{X} (y) = \int_{-\infty}^{y} f_{X} (x) dx $$

  • 測度論にまだ触れていない場合、確率空間という言葉は無視しても問題ない。

説明

当然のことながら、確率の定義により$\displaystyle \int_{\Omega} f dm = P ( \Omega ) = 1$である。

絶対連続

$P$が$\displaystyle P(A) = \int_{A} f dm$の場合、絶対連続というのはちょっと考えれば、特に奇妙なことはない。それは、$P$にどんなに不連続な点があっても、$P(A)$と$A$に点を加えた$A \cup \left\{ a \right\}$に対する$P(A \cup \left\{ a \right\})$の関数値が大きく異なることはできないから―連続であるからだ。これは、$P$や$f$に関係なく、測度$m$の性質から生じるものだ。もし$f$が不連続関数であっても、条件を満たすなら$P$は連続でなければならない。

定理

分布関数の性質 2

分布関数は次の性質を持つ:

  • [1] 単調増加: $$y_{1} \le y_{2} \implies F_{X} (y_{1}) \le F_{X} ( y_{2} )$$
  • [2] 端での極限: $$ \begin{align*} \lim_{y \to \infty} F_{X} (y) =& 1 \\ \lim_{y \to -\infty} F_{X} (y) =& 0 \end{align*} $$
  • [3] 右連続: $y \ge y_{0}$に対して $$y \to y_{0} \implies F_{X} (y) \to F_{X} (y_{0} )$$
  • [4] 密度が定義されると、期待値の別の便利な表現を得る。 $$ E(X) = \int_{0}^{\infty} P(X>t) dt $$

証明

[4]

$0 \le y \le t < \infty$およびフビニの定理によって $$ \begin{align*} \int_{0}^{\infty} P(X>t) dt &= \int_{0}^{\infty} P_{X}( (\infty,t] ) dt \\ =& \int_{0}^{\infty} F_{X} (t) dt \\ =& \int_{0}^{\infty} \int_{t}^{\infty} f_{X} (y) dy dt \\ =& \int_{0}^{\infty} \int_{0}^{y} f_{X} (y) dt dy \\ =& \int_{0}^{\infty} \int_{0}^{y} dt f_{X} (y) dy \\ =& \int_{0}^{\infty} y f_{X} (y) dy \\ =& E(X) \end{align*} $$

参照


  1. Capinski. (1999). Measure, Integral and Probability: p106~109. ↩︎

  2. Capinski. (1999). Measure, Integral and Probability: p110. ↩︎