有限コーン
定義1
$v$を$\mathbb{R}^n$の単位ベクトル2としよう。ゼロでない各$x\in \mathbb{R}^n$に対して、$\angle(x,v)$を二つのベクトル$v,x$間の角度としよう。それで、与えられた$v$、$\rho \gt 0$、$0 \lt \kappa \le \pi$に対して、集合$C$を高さが$\rho$、軸の方向が$v$、開口角が$\kappa$で原点が頂点の有限コーンa finite cone of height $\rho$, axis direction $v$ and aperture angle $\kappa$ with vertex at the originと呼ぶ。 $$ C= \left\{ x \in \mathbb{R}^n \ \ \big| \ \ x=0\ \mathrm{or}\ 0<|x|\le \rho,\ \angle (x,v)\le \kappa/2 \right\} $$
$x+C=\left\{ x+y\ \ \big| \ \ y\in C \right\}$はコーン$C$を平行移動したもので、頂点が原点から$x$に変わったものだ。
説明
コーンは幾何学で「円錐」と訳されることもあるが、実際の3D形状は円錐ではない。だから、「コーン」とそのまま読む方が良い。2Dでは、コーンは扇形になる。
簡単に言うと、コーンはある点(下図での$x$)を基準に、そこから伸びる直線を角度とサイズという条件が付いて集めたものだ。直線を集めると考えるのが線分条件、弱いコーン条件などと関連付けて考えると当然だ。与えられたドメインが十分に良くない時に使われる。例えば、ある点を中心とするオープンボールを取れない場合でも、その点を頂点とする有限コーンは存在できる。$n$次元の有限コーンは$n$次元ボールの一部だからだ。
3次元のコーンは上の図のように見える。円錐に似ているが、円錐ではない。具体的には、コーンアイスのように見える。上の図は$x$が視点であり、ベクトル$v$を基準に角度差が$\kappa/2$以下で、サイズが$\rho$以下の全てのベクトルを集めたものだ。
2次元の場合は、扇形のようだ。