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拡張された実数値を持つ関数が可測関数であるための必要十分条件 📂測度論

拡張された実数値を持つ関数が可測関数であるための必要十分条件

定理1

与えられたσ-代数$(X,\mathcal{E})$と、拡張された実数の値を持つ関数$f : X\rightarrow \overline{\mathbb{R}}$が可測関数となるための必要十分条件は以下の通りである。

$$ f\text{ is measurable} \iff \begin{align} & \left\{ x \in X : f(x)=-\infty \right\} \in \mathcal{E} \\ & \left\{ x \in X : \alpha < f(x) < +\infty \right\} \in \mathcal{E}\quad (\forall \alpha \in \mathbb{R}) \end{align} $$

説明

上記の定理は、拡張された実数の値を取る関数が可測であるかを判断する際、拡張された実数の値を取る可測関数を扱う際に役立つ。

証明

補助定理

拡張された実数の値を持つ関数$f : X \rightarrow \overline{ \mathbb{R} }$が$\mathcal{E}$-可測だとする。すると、以下の二つの式が成立する。

$$ \begin{align*} \left\{ x \in X : f(x) = +\infty \right\} &= \bigcap_{n=1}^{\infty} \left\{ x \in X : f(x)>n \right\} \in \mathcal{E} \\ \left\{ x \in X : f(x)=-\infty \right\} &= \left[ \bigcup_{n=1}^\infty \left\{ x \in X : f(x) >-n \right\}\right]^c \in \mathcal{E} \end{align*} $$

  • $(\implies)$

    $f$が補助定理により可測であるから、次が成立する。

    $$ \left\{ x \in X : f(x)=-\infty \right\} \in \mathcal{E} $$

    したがって、$(1)$が成立する。任意の$\alpha \in \mathbb{R}$に対して、次が成立する。

    $$ \left\{ x \in X : \alpha < f(x) < +\infty \right\}= \left\{ x \in X : \alpha < f(x) \right\} \cap \left\{ x \in X : f(x)<+\infty \right\} $$

    右辺の最初の集合は、確実に$\mathcal{E}$の要素である。二番目の集合については、次が成立するので、$\mathcal{E}$の要素である。

    $$ \left\{ x \in X : f(x)<+\infty \right\}=\bigcup_{n=1}^\infty \left\{ x \in X\ :\ f(x)<n \right\} \in \mathcal{E} $$

    $\sigma$-σ-代数の定義により、次が成立する。

    $$ \left\{ x \in X : \alpha < f(x) <+\infty \right\} \in \mathcal{E} $$

    従って、$(2)$が満たされる。

  • $(\impliedby)$

    可測関数の定義により、任意の$\alpha \in \mathbb{R}$に対して$\left\{ x \in X : f(x) > \alpha \right\} \in \mathcal{E}$が成立することを示せばよい。任意の$\alpha \in \mathbb{R}$に対して、次が成立する。

    $$ \left\{ x \in X : f(x) < +\infty \right\}= \left\{ x \in X : -\infty < f(x) < +\infty \right\} \cup \left\{ x \in X : f(x)=-\infty \right\} $$

    仮定により右辺の二番目の集合は$\mathcal{E}$の要素である。また、次が成立する。

    $$ \left\{ x \in X : -\infty< f(x) <+\infty \right\} = \bigcup_{n=1}^\infty \left\{ x \in X : -n < f(x) <+\infty \right\} \in \mathcal{E} $$

    したがって、右辺の最初の集合も$\mathcal{E}$の要素であることがわかる。$\sigma$-σ-代数は合併に対して閉じているので、次が成立する。

    $$ \left\{ x \in X : f(x) <+\infty \right\} \in \mathcal{E} $$

    また、$\sigma$-σ-代数は補集合に対しても閉じているので、次が成立する。

    $$ \left\{ x \in X : f(x)=+\infty \right\}= \left[ \left\{ x \in X : f(x) <+\infty \right\} \right]^c \in \mathcal{E} $$

    $\left\{ x \in X : \alpha<f(x) <+\infty \right\} \in \mathcal{E}$であり、$\sigma$-σ-代数は合併に対して閉じているため、次が成立する。

    $$ \left\{ x \in X : f(x) > \alpha \right\} = \left\{ x \in X : \alpha<f(x) <+\infty \right\} \cup \left\{ x \in X : f(x)=+\infty \right\} \in \mathcal{E} $$

    従って、$f$は可測である。


  1. Robert G. Bartle, The Elements of Integration and Lebesgue Measure (1995), p11-12 ↩︎