連続だが微分不可能な関数:ワイエルシュトラス関数
📂解析学連続だが微分不可能な関数:ワイエルシュトラス関数
定理

どこでも微分できない連続関数が存在する。
証明
戦略: 連続関数g1(x):=∣x−1∣とg2(x):=∣x−2∣を考える。g1はx=1で、g2はx=2で微分不可能である。(g1+g2)はx=1とx=2の両点で微分不可能である。このようにG:=k=1∑∞gkを構成してみると、Gはx∈Nで微分不可能になるだろう。もちろん、これはワイエルシュトラス関数と呼ぶにはあまりにも多くの場所で微分可能である。本当のワイエルシュトラス関数Fは、微分不可能な点が急速に増加するfkの和として作られる。
パート1. Fの連続性
f0(x):={x1−x,0≤x<21,21≤x<1
f0(x):=f0(x+1)
上のような周期関数f0を定義し、次のようにfk、Fを定義しよう。
fk(x):=2kf0(2kx)
F(x):=k=0∑∞fk(x)

fkは上の図のようにRで連続である。
ワイエルシュトラスM判定法:関数列{fn}とx∈Eについて∣fn(z)∣≤Mnを満たす正の数列Mnが存在し、n=1∑∞Mnが収束する場合、n=1∑∞fnはEで絶対収束し、一様収束する。
関数級数の性質:EがF:=k=1∑∞fkで一様収束するとする。fnがx0∈Eで連続ならば、Fもx0∈Eで連続である。
Mn:=2n+11
とすると
∣fn(x)∣≤Mn
n=0∑∞Mn=1
それで、Fは一様収束し、Fは連続である。
パート2. Fの微分不可能性
Fは周期が1なので、[0,1)でのみ微分不可能であることを示せば、Rで微分不可能であることになる。あるx0∈[0,1)でFが微分可能だと仮定してみよう。
パート2-1. k=0∑∞ckの発散性
αn:=2np
βn:=2np+1
このように設定すると、n∈Nに対してx0∈[αn,βn)となるようなp∈Zを選ぶことができるだろう。[αn,βn)は長さが2n1であり、次の図のようにx0を含むようにする[0,1)の(p+1)番目の区間である。

nが大きくなるたびに、[αn,βn)は半分ずつ減少し、そうすると
[αn,βn]⊆[αk+1,βk+1]
である。一方[αk+1,βk+1]でfkは増加または減少するだけなので、それより小さいか同じ区間の[αn,βn]でも増加または減少するだけである。したがってckを
ck:=βn−αnfk(βn)−fk(αn)
のように定義すると、ckはnに関係なくck=1またはck=−1であるしかない。無限級数の性質により、ckが収束しなければ、k=0∑∞ckは発散しなければならない。これはn∈Nがどのように与えられても同様に示すことができるので、nにかかわらず、k=0∑∞ckが収束しないと言える。
パート2-2. F′(x0)=k=0∑∞ck
Fがx0で微分可能だと仮定され、n→∞のとき[αn,βn]→[x0,x0]であるから
F′(x0)=n→∞limβn−αnF(βn)−F(αn)
一方で、k≥nについてfk(αn)=fk(βn)=0であるから
F(αn)=k=0∑∞fk(αn)=k=0∑n−1fk(αn)
F(βn)=k=0∑∞fk(βn)=k=0∑n−1fk(βn)
のようにFを有限級数で表すことができる。それで
k=0∑∞ck====n→∞limk=0∑n−1ckn→∞limβn−αn∑k=0n−1fk(βn)−∑k=0n−1fk(αn)n→∞limβn−αnF(βn)−F(αn)F′(x0)
パート2-2ではF′(x0)=k=0∑∞ckだったが、パート2-1でk=0∑∞ckが発散することが示されたので、仮定に矛盾する。
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