関数の級数
定義
関数列$\left\{ f_{n} : E \to \mathbb{R} \right\}_{n=1}^{\infty}$を定めよう。
(1) $\displaystyle \sum_{k=1}^{n} f_{k} (X)$が$n \to \infty$の時、$\displaystyle \sum_{k=1}^{ \infty } f_{k}$の級数が$E$で逐点収束するなら$\displaystyle \sum_{k=1}^{ \infty } f_{k}$の級数は$E$で逐点収束すると言う。
(2) $\displaystyle \sum_{k=1}^{n} f_{k} (X)$が$n \to \infty$の時、$\displaystyle \sum_{k=1}^{ \infty } f_{k}$の級数が$E$で一様収束するなら$\displaystyle \sum_{k=1}^{ \infty } f_{k}$の級数は$E$で一様収束すると言う。
(3) $\displaystyle \sum_{k=1}^{n} | f_{k} (x) |$が$n \to \infty$の時、$\displaystyle \sum_{k=1}^{ \infty } f_{k}$の級数が$E$で逐点収束するなら$\displaystyle \sum_{k=1}^{ \infty } f_{k}$の級数は$E$で絶対収束すると言う。
説明
関数の列を話したなら、級数を話さないわけにはいかない。ただの関数列の収束とは異なり、絶対収束まで考える点が違う。
定理
$E$で$\displaystyle F := \sum_{k=1}^{ \infty } f_{k}$が一様収束するとしよう。
(1) 連続性: $f_{n}$が$x_{0} \in E$で連続なら$F$も$x_{0} \in E$で連続である。
(2) 微分可能性: $f_{n}$が$E = (a,b)$で微分可能であり、$\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} f_{n} ' $が$E$で一様収束する場合、$\displaystyle F $も$E$で微分可能である。
$$ {{ d } \over { dx }} \sum_{k=1}^{\infty} f_{n} (x) = \sum_{k=1}^{\infty} {{ d } \over { dx }} f_{n} (x) $$
(3) 積分可能性: $f_{n}$が$E = [a,b]$で積分可能なら、$F$も$E$で積分可能である。
$$ \lim_{n \to \infty} \int_{a}^{b} f_{n} (x) dx = \int_{a}^{b} \left( \lim_{n \to \infty} f_{n} (x) \right) dx $$
(4) バイエルシュトラスのM判定法:
関数列$\left\{ f_{n} \right\}$と$x \in E$について、$|f_{n}(z)| \le M_{n}$を満たす正の数列$M_{n}$が存在し、$\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} M_{n}$が収束する場合、$\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} f_{n}$は$E$で絶対収束および一様収束する。
(5) ディリクレの判定法:
関数列 $\left\{ f_{k} \right\}$、$\left\{ g_{k} \right\}$と$n \in \mathbb{N}$、$x \in E$において、$\displaystyle \left| \sum_{k=1}^{n} f_{k} (x) \right| \le M < \infty$を満たす正の数$M$が存在し$g_{k}$が$E$で$g = 0$に一様収束する場合、$\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} f_{k} g_{k}$も$E$で一様収束する。