負の二項係数
定義
$r,k \in \mathbb{N}$ について $\displaystyle \binom{-r}{k}$ を 負の二項係数negative Binomial Coefficientと言う。
説明
名前から予想できるように、負の二項係数は二項係数を負数に拡張したものだ。数式的に考えれば、$\alpha \in \mathbb{Z}$ に対して $\displaystyle \binom{\alpha}{k} = {{ \alpha ( \alpha - 1 ) \cdots ( \alpha - k + 1 ) } \over { k! }}$ のように計算できない理由はない。
さらに、複素数に対しても一般化できるが、特に負の整数 $-r$ に対する議論は別の用途があるため、別名で呼ばれることになった。負の二項係数は、単に二項係数としても表される。 $$ \begin{align*} \binom{-r}{k} =& {{ (-r) ( -r - 1 ) \cdots ( -r - k + 1 ) } \over { k! }} \\ =& (-1)^{k} {{ r ( r + 1 ) \cdots ( r + k - 1 ) } \over { k! }} \\ =& (-1)^{k} \binom{r + k - 1}{ k } \end{align*} $$ 両辺に $(-1)^{k}$ を掛けると $$ (-1)^{k} \binom{-r}{k} = \binom{r + k - 1}{ k } $$ 実際に、負の二項分布の確率質量関数では、このような表現が使われている。