マクスウェルの応力テンソル
📂電磁気学マクスウェルの応力テンソル
定義
以下のテンソル Tをマクスウェル応力テンソルと呼ぶ。
T=T=TxxTyxTzxTxyTyyTzyTxzTyzTzz
Tij=ϵ0(EiEj−21δijE2)+μ01(BiBj−21δijB2)
ここで、δijはクロネッカーのデルタである。
説明
2階のテンソルは上記のように定義される。ある体積V内の電荷が受ける力を導出する過程で現れる。2階のテンソルであるため、9つの成分を持つ。下添字が1つのベクトルの場合、Aとして表すこともあるが、同様に下添字が2つの2階のテンソルをAとして表示することもある。しかし、私はこの表示方法をきれいだとは思わないので、この記事ではベクトルを示す方法と同じように、単純に太字で表示することにする。
式にクロネッカーのデルタが含まれているため、i=jの場合とi=jの場合で形がかなり違って見える。
i=jの場合には
Txx=ϵ0(Ex2−21E2)+μ01(Bx2−21B2)
E2=Ex2+Ey2+Ez2なので
Txx=2ϵ0(Ex2−Ey2−Ez2)+2μ01(Bx2−By2−Bz2)
i=jの場合には
Txy=ϵ0(ExEy)+μ01(BxBy)
内積
マクスウェル応力テンソルTと任意のベクトルaとの内積は、その成分が下添字を1つのみ持つため、ベクトル(1階のテンソル)であり、次のようになる。
a⋅T=(axayaz)TxxTyxTzxTxyTyyTzyTxzTyzTzz=(axTxx+ayTyx+azTzx, axTxy+ayTyy+azTzy, axTxz+ayTyz+azTzz)
(a⋅T)j=i=x,y,z∑aiTij
発散
Tの発散もベクトルである。∇⋅Tのj成分は
===(∇⋅T)j ϵ0[∇i(EiEj)−21∇iδijE2]+μ01[∇i(BiBj)−21∇iδijB2] ϵ0[∇iEiEj+Ei∇iEj−21∇jE2]+μ01[∇iBiBj+Bi∇iBj−21∇jB2] ϵ0[(∇⋅E)Ej+(E⋅∇)Ej−21∇jE2]+μ01[(∇⋅B)Bj+(B⋅∇)Bj−21∇jB2]