相互インダクタンス
📂電磁気学相互インダクタンス
説明

上の図のように、固定された2つの導体ループがあるとしよう。ループ1に定常電流I1が流れると、磁場B1が生じる。(アンペールの法則) B1の磁場線の一部はループ2を通過することになる。つまり、ループ2を通過するB1の磁束Φ2=B1⋅da2について話すことができる。この時da2はループ2の面積ベクトルで、大きさはループ2が囲む面積と同じで、方向はループ2が囲む面に垂直だ。
ループ1の形が円形や四角形のような単純な形ではない場合、実際にB1を計算するのは難しく、したがって磁束Φ2を計算するのも難しい。しかし、ビオ・サバールの法則を調べることで、重要なヒントを得ることができる。
B1=4πμ0I1∮
2dl×
つまり、磁場B1はループ1に流れる電流I1に比例するという事実である。Φ2=B1⋅da2なので、Φ2もI1に比例する。したがって、比例定数をM21とすると、以下のように書ける。
Φ2=M21I1
この比例定数を相互インダクタンスmutual inductanceと呼ぶ。相互インダクタンスは、磁束をベクトルポテンシャルで表し、それにストークスの定理を適用することで得られる。
Φ2=∫B1⋅da2=∫(∇×A1)⋅da2=∮A1⋅dl2
A1=4πμ0I1∮
dl1なので、
Φ2=4πμ0I1∮(∮
dl1)⋅dl2
したがって、相互インダクタンスは、
M21=4πμ0∮(∮
dl1⋅dl2)
この式はノイマン公式Neumann formulaと呼ばれる。ノイマン公式をよく見ると、電流I1に関する項がなく、2つのループの線積分が内積でつながっていることが分かる。したがって、次の2つの重要な事実を得ることができる:

- 相互インダクタンスM21は純粋に幾何学的な量であり、ループに流れる電流とは無関係である。二つのループ間の距離、大きさ、形などで決まる量である。
- dl1⋅dl2=dl2⋅dl1であるから、M21=M12=Mである。
この事実をまとめると、
2つのループの形や位置に関係なく、ループ1に電流Iが流れ、それによって生じる磁場B1がループ2を通る磁束は、同じ電流Iがループ2に流れ、それによって生じる磁場B2がループ1を通る磁束と同じである。